神の約束

神はモーセを見放してはおられない。何度も躊躇ちゅうちょするモーセに対して、神は忍耐深く語りかけておられる。神は、私たちをも忍耐をもって導いてくださる。このようなお方は、他にはいない。（1）神は、兄アロンが代弁者（預言者）になると言われた。これは、すでに教えられていたことの再確認である。（2）モーセは、「イスラエル人を去らせよ」というメッセージをパロに語るように命じられた。モーセに期待されているのは、【主】のことばどおりに行うことである。（3）ここでの神の命令には、「神の啓示」のパターンが見られる。①神→②預言者→③民というのが、啓示の流れである。ここでは、①モーセ→②アロン→③パロという情報の流れが見られる。
さらに神は、これから起ころうとしていることを再度モーセに啓示された。（1）パロは心を頑かたくなにするであろう。（2）その結果、エジプトは大きな裁き（しるしと不思議）を受けることになる。エジプト全体に裁きが下る理由は、エジプトが反ユダヤ主義政策を採用し、エジプト人全員がその政策を実行するようになったからである。（3）【主】は、イスラエル人をエジプトから連れ出される。（4）その結果、エジプト人は「わたしが【主】であることを知る」ようになる。つまり、奴隷の神（イスラエル人の神）の方が、彼らの神々より強いということを知るようになるというのである。これは、非常に重要な預言である。【主】とは、契約の神の御名である。出エジプトが成就するかどうかは、【主】の名誉がかかった戦いである。エジプト人は、イスラエルの神が契約を守る力を持った方であることを知るようになる。

信仰の危機を脱する

信仰の危機を脱する秘訣ひけつは、6 節にある。「そこでモーセとアロンはそうした。【主】が彼らに命じられたとおりにした」。彼らは、神のプログラムを理解した。そして、【主】の命令どおりに行動を起こした。これは、あらゆる時代のクリスチャンに通用する霊的原則である。信仰の危機を脱したいなら、神のことばに焦点を合わせ、そのように行動を起こすことである。自分の判断や期待を優先させ、神のことば（計画）を退しりぞけているなら、体験的に神を知ることは不可能である。私たちは、神のことばを自分に向けられたものとして読み、それを受け取っているだろうか。モーセの立ち直りから、教訓を学ぼう。何歳であっても、神に立ち返るのに遅すぎるということはない。