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出エジプト記6:28 ~ 30

28 【 主】がエジプトの地でモーセに告げられたときに、

29 【 主】はモーセに告げて仰せられた。「わたしは【主】である。わたしがあなたに話すことを、みな、エジプトの王パロに告げよ。」

30 しかしモーセは【主】の前に申し上げた。「ご覧ください。私は口べたです。どうしてパロが私の言うことを聞くでしょう。」

モーセの信仰の危機

文脈の確認

先に進む前に、文脈を確認してみよう。(1)出エジプト記6:14 ~ 27 には、系図が挿入句として入っていた。この系図の目的は、モーセとアロンがレビの家系から出ていることを示すことにあった。これで、モーセとアロンが突如歴史の表舞台に登場したのではなく、アブラハム契約の延長線上に置かれていたことが明らかになった。(2)ちなみに、この系図には何世代かの省略がある。18 節のケハテとアムラムの間に省略があると思われる。ここでの「子」とは「子孫」とも訳せる。(3)モーセとアロンは、アブラハム、イサク、ヤコブ、レビの子孫である。(4)そして、この個所は12 節とつながり、元の文脈に戻る。

モーセの信仰の危機

(1)モーセは、「私は口べたです」と弁解している。これは、最初から彼が語っていた言い訳である(出4:10)。モーセは、せっかくエジプトに派遣されながら、元の状態に戻っている。「口べたです」と訳されている言葉は、「無割礼の唇」という意味である。つまり、不完全な唇という意味である。(2)神は、モーセの代弁者として兄のアロンをお立てになった。そのことさえも、モーセは見えなくなっていたのである。
モーセが信仰の危機に陥った理由を思い起こそう。彼の心には、以下のような疑問があった。神には約束を守る力があるのか。神には約束を守る気があるのか。自分は何のためにエジプトに遣わされて来たのか。事態が悪化しているのに、神はなぜ動こうとしないのか。以上のことを要約すると、モーセの期待(予想)と神の計画の間にギャップがあったということである。私たちも同じような体験をする。自分中心に信仰生活を送っていると、神の御心が分からなくなり、不平不満を抱くようになる。そして、神が見えなくなると、自分の弱点が大きく見え始める。
日本人クリスチャンの中には、教会から足が遠のいている人たちがたくさんいる。彼らは、青年時代の信仰を忘れている人たちである。いわば、ミデヤンの野で羊飼いに戻っている人たちである。彼らは、信仰の回復と飛躍ひやくのきっかけを探している。このような霊的難民のために祈ろう。また、自分自身も神の計画に沿った信仰生活が送れるように、祈ろう。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。日本には霊的難民、また潜在的な求道者がたくさんいます。どうか私を用いて、そのような人たちに語りかけてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

レビ記24 ~ 25、詩篇17~18

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