10 その子が大きくなったとき、女はその子をパロの娘のもとに連れて行った。その子は王女の息子になった。彼女はその子をモーセと名づけた。彼女は、「水の中から、私がこの子を引き出したのです」と言ったからである。
「その子が大きくなったとき、女はその子をパロの娘のもとに連れて行った。その子は王女の息子になった」。(1)幼年期を両親とともに過ごしたモーセは、5 歳前後でパロの娘のもとに連れて行かれ、王女の養子となった。(2)幼子は王族の一員となったが、彼の心にはすでにヘブル人としての自己認識が植え付けられていた。
「彼女はその子をモーセと名づけた。彼女は、『水の中から、私がこの子を引き出したのです』と言ったからである」。(1)幼子は、モーセと命名された。(2)エジプト第18 王朝のパロの名前には、アフモス、トゥトモスなど「モス」が付くものが多いが、「モス」とは「子を産む」という意味である。王女は、その子をモーセと名づけたが、この名には、「ナイルが産んだ子」という意味が含まれている。(3)第18 王朝のパロたちの名を分解すると、「偶像の名前+モス」となる。従って、モーセも最初は「○○モス」と呼ばれたはずである。(4)モーセは、ヘブル語では「モシェ」となる。ユダヤ人たちはその名の意味を、「水から引き上げられた」と再解釈した。引き上げるという動詞は、ヘブル語で「マシャ」である。
モーセが受けた教育は、当時の世界では最高のものであった。パロは出来るだけ多くの息子たちを産み、彼らに教育を施し、軍事や国の管理に当たらせた。それが最善の富国強兵策であった。モーセもまた、同様の教育を受けたことは間違いない(歴史、軍事、哲学、天文学、文学など)。
ここで注目すべきは、ヘブル人男子の人口を減らそうとするパロの策略が、再び失敗に終わったという点である。エジプトが採用した反ユダヤ主義政策が、解放者モーセを産み、育てるという結果につながった。ここには歴史の皮肉があるが、私たちはこれを神の摂理と呼ぶ。私たちが信じている神は、人の悪を善に変え、ご自分の計画の進展のために用いることの出来るお方である。今も、神の摂理の御手は働いている。天の父に、霊的洞察力を願い求めようではないか。
きょうの祈り
天の父なる神様。日々の歩みの中にも、あなたの摂理の御手は働いています。私たちの霊的洞察力を高め、あなたの御心を鮮明に理解することができるようにしてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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