27 それから、総督の兵士たちは、イエスを官邸の中に連れて行って、イエスの回りに全部隊を集めた。
28 そして、イエスの着物を脱がせて、緋色の上着を着せた。
29 それから、いばらで冠を編み、頭にかぶらせ、右手に葦を持たせた。そして、彼らはイエスの前にひざまずいて、からかって言った。「ユダヤ人の王さま。ばんざい。」
30 また彼らはイエスにつばきをかけ、葦を取り上げてイエスの頭をたたいた。
ローマ総督ピラトは、祭りの期間にカイザリヤからエルサレムに上って来ていた。エルサレム滞在中は、アントニヤの要塞の一角を官邸として用いた。イエスの裁判は、その官邸の外で行われた。祭司長たちが、汚れのために過越の食事を食べられなくなることを恐れ、官邸の中に入らなかったからである。イエスの死刑判決は、官邸の外の「敷石(ヘブル語ではガバタ)」と呼ばれる場所で出された(ヨハ19:13)。それからイエスは、兵士たちによって官邸の中に連れて行かれ、そこで辱めを受けた。
(1)この時点では、すでにむち打ちの刑が終わっていた。ピラトは、ユダヤ人たちへの妥協案として、イエスをむち打ちの刑に処し、それで終わりにしようとしたのである。しかし、ピラトのそのもくろみは失敗に終わった。(2)ローマのむちを受けたイエスは、背中がざくろのように裂け、そこから血が滴り落ちていた。また、むちの先端が体の前に回り込むので、顔と胸も背中と同じように破壊されていた。(3)兵士たちは、全部隊(大隊)をイエスの周りに集めた。彼らは、前の夜にユダの手引きによってゲツセマネの園に出かけて行ったおよそ600 人の兵士たちである。(4)彼らは、イエスが「王」として告発されたという事実に基づいて、イエスを辱めた。「緋色の上着」は、王族の色である紫に近い緋色だったと思われる。「いばらの冠」、「王の笏の代わりの葦」なども、すべてイエスをからかうためのものであった。(5)最後には、つばきをかけ、取り上げた葦の棒でその頭をたたいた。日頃ユダヤ人に手を焼いていたローマ兵たちは、これで憂さ晴らしをしたのである。
イエスの頭は、むち打ちの刑ですでに血が吹き出していた。その上にさらに「いばらの冠」がかぶせられた。するどい棘が、傷の奥深くまで食い込んだことであろう。「いばらの冠」は、アダムの罪に下った呪いを象徴している。創世記3:18 には、「土地は、あなたのために、いばらとあざみを生えさせ」とある。イエスの死は、アダムの罪の呪いを取り除くためのものであったのだ。
今、最後のアダム(主イエス)が、最初のアダムの罪の呪いを取り除くために、どれほどの恥と痛みを忍んでくださったか、黙想してみよう。兵士たちは、戯れにイエスの前にひざまずいたが、私たちはそうではない。今、真心から御前にひざまずき、主イエスに感謝と礼拝をささげようではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。主イエスは私の罪のためにかくも苦しまれました。今心から、「イエスは主なり」と告白します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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創世記 9~10、マルコの福音書 3
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