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マタイの福音書21:23 ~ 27

23 それから、イエスが宮に入って、教えておられると、祭司長、民の長老たちが、みもとに来て言った。「何の権威によって、これらのことをしておられるのですか。だれが、あなたにその権威を授けたのですか。」

24 イエスは答えて、こう言われた。「わたしも一言あなたがたに尋ねましょう。もし、あなたがたが答えるなら、わたしも何の権威によって、これらのことをしているかを話しましょう。

25 ヨハネのバプテスマは、どこから来たものですか。天からですか。それとも人からですか。」すると、彼らはこう言いながら、互いに論じ合った。「もし、天から、と言えば、それならなぜ、彼を信じなかったか、と言うだろう。

26 しかし、もし、人から、と言えば、群衆がこわい。彼らはみな、ヨハネを預言者と認めているのだから。」

27 そこで、彼らはイエスに答えて、「わかりません」と言った。イエスもまた彼らにこう言われた。「わたしも、何の権威によってこれらのことをするのか、あなたがたに話すまい。

吟味される小羊

過越の小羊の選り分けと吟味

出エジプト12 章の規定では、過越の小羊はニサンの月の10 日に選り分けられ、14 日まで無傷かどうか吟味されることになっている。イエスとユダヤ人の指導者たちとの論争は、そのような出エジプト記の規定を背景として読む必要がある。ニサンの月の10 日(日曜)にエルサレムに入城した神の小羊イエスは、14 日(木曜日)まで4 回にわたって様々なグループの指導者たちから挑戦を受け、傷やしみがないかどうか吟味される。この箇所はその第1 回目で、イエスを吟味しているのは祭司長と民の長老たちである。彼らがイエスに挑戦する目的は、2 つある。(1)イエスは群衆から圧倒的な支持を受けていた。イエスをおおやけに辱めることによって、群衆のイエスに対する信頼を破壊するのが、第1 の目的である。もしそうなれば、簡単にイエスを抹殺まっさつすることができる。(2)イエスがローマ法に違反しているという証拠をつかむことが、第2 の目的である。もしそうなれば、イエスを死刑にすることが可能になる。

イエスの権威を巡る論争

第1 回目の挑戦は、以下のように展開した。(1)祭司長と長老たちは、議会を代表してこう質問した。「何の権威によって、神殿から商売人を追い出したのか」。当時のラビ的ユダヤ教では、権威あるラビの認定がなければ、教師になる資格はないというのが常識であった。しかしイエスは、だれの認定も受けないで、ラビとして教え、行動していた。(2)問いに答えるのに問いをもってする、というのはラビ的教授法の一つである。イエスは、その方法を用いて指導者たちに答えた。「では、バプテスマのヨハネの権威はどこから来たものなのか」と。(3)彼らはジレンマに陥った。もし「ヨハネは天から来た」と答えるなら、そのヨハネが「神の小羊」と呼んだイエスをメシアとして受け入れないのはおかしいということになる。一方、もしヨハネを拒否するなら、彼を預言者として受け入れている群衆の反発を招くことになる。彼らは悩んだ末に、「わかりません」と答えた。(4)そこで、イエスもまた彼らの問いに答えることを拒否した。
心がかたくなな人、また自分の欲を神としている人は、イエスの主権を認めないし、認めることもできない。神に背を向けて生きるなら、その人の心はかわいてくる。神だけが、その渇きを癒すことができる。自分のために、また、イエスに心を閉ざしている隣人や家族のために祈ろう。「主イエスよ、私の心をあなたの愛で満たしてください」

きょうの祈り

天の父なる神さま。いつもへりくだった心を持ってあなたの御前を歩ませてください。イエスは主なりと告白します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ネヘミヤ記1~2、ヨハネの手紙 第一2