39 それから、イエスは群衆を解散させて舟に乗り、マガダン地方に行かれた。
< 16 章>
1 パリサイ人やサドカイ人たちがみそばに寄って来て、イエスをためそうとして、天からのしるしを見せてくださいと頼んだ。
2 しかし、イエスは彼らに答えて言われた。「あなたがたは、夕方には、『夕焼けだから晴れる』と言うし、
3 朝には、『朝焼けでどんよりしているから、きょうは荒れ模様だ』と言う。そんなによく、空模様の見分け方を知っていながら、なぜ時のしるしを見分けることができないのですか。
4 悪い、姦淫の時代はしるしを求めています。しかし、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられません。」そう言って、イエスは彼らを残して去って行かれた。
異邦人の地で4 千人のパンの奇跡を行ったイエスは、ユダヤ人の地に帰還する。マガダン地方は、ガリラヤ湖の北西岸の地域を指す。そこに、パリサイ人やサドカイ人たちが現れ、「天からのしるし」を求めた。(1)パリサイ人とサドカイ人は、神学的にも政治的にも、その立場を異にしていた。しかし、イエスを敵とすることにおいては一致していた。(2)彼らは、「天からのしるしを見せてください」と頼んだ。彼らの理屈では、イエスがこれまでに行った奇跡は「地獄(サタン)からのしるし」であって、「天からのしるし」ではなかった。彼らは、「この人は、ただ悪霊どものかしらベルゼブルの力で、悪霊どもを追い出しているだけだ」(マタ12:24)と言っていた。(3)イエスは、「空模様の見分け方を知っていながら、なぜ時のしるしを見分けることができないのですか」と語り、彼らの不信仰を嘆かれた。「時のしるし」とは、「今がどういう時かを示すしるし」のことである。イエスの到来とともに、預言者たちが預言していた「神の国」が成就する時が来た。しかし、ユダヤ人の指導者たちには、それを洞察する力がなかった。なんという悲劇であろうか。
イエスは、「悪い、姦淫の時代はしるしを求めています」と言い、ユダヤ人たちの不信仰を嘆かれた。次に、マタイ12:39 で語られたのと同じ内容の話をされた。(1)不信仰なこの世代のユダヤ人たちには、しるしは与えられなくなる。唯一の例外が、「預言者ヨナのしるし」である。(2)「ヨナのしるし」とは「復活」のことである。① 死んで4 日も経ったラザロの蘇生。②死後3 日目に起こったイエスの復活。そして、③ 黙示録11 章に出てくるふたりの証人の復活(大患難時代にユダヤ人伝道のために用いられる証人)。(3)マタイ12 章以降でも数々の奇跡が行われているが、それらの奇跡は、イスラエル全体に与えられたしるしではなく、12 使徒を訓練するためのものであった。
神は不信仰なユダヤ人たちのために、3 つの「ヨナのしるし」を残された。ラザロの復活は、イエスがメシアであることを証明した。それでも信じないユダヤ人たちには、イエスご自身の復活がしるしとなった。さらに、将来与えられるしるしとして、大患難時代に復活するふたりの証人が用意されている。今がどういう時か、黙想してみよう。日々のデボーションを通して、「時のしるし」を見分けることができる霊的感受性を養おうではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたは愛とあわれみに富んだ神です。どうか私に時を見分ける目を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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