13 彼らが帰って行ったとき、見よ、主の使いが夢でヨセフに現れて言った。「立って、幼子とその母を連れ、エジプトへ逃げなさい。そして、私が知らせるまで、そこにいなさい。ヘロデがこの幼子を捜し出して殺そうとしています。」
14 そこで、ヨセフは立って、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトに立ちのき、
15 ヘロデが死ぬまでそこにいた。これは、主が預言者を通して、「わたしはエジプトから、わたしの子を呼び出した」と言われた事が成就するためであった。
ヘロデ王の魔の手が伸びる前に、主の使いがヨセフに現れ、「立って、幼子とその母を連れ、エジプトへ逃げなさい。そして、私が知らせるまで、そこにいなさい。ヘロデがこの幼子を捜し出して殺そうとしています」(13 節)と告げた。
(1)マタイはユダヤ人を対象にこの福音書を書いているので、ヨセフを中心とした物語を記述している。ヨセフは夢の中で主の使いから警告の言葉を聞き、すぐにエジプトに逃れた。(2)「幼子とその母」という表現が2 回出てくる。幼子イエスが母マリヤよりも先に置かれているのは、誕生の時からこの幼子が、人類史上最も注目すべきお方となったからである。(3)エジプトに逃避し、そこである程度の期間滞在するためには相当な費用がかかるが、東方の博士たちの贈り物が大いに役立ったと思われる。この贈り物がなければ、貧しいこの一家がエジプトまで移動するのは不可能であったことだろう。神はすべての必要をご存じで、先回りしてその必要を満たしてくださった。
マタイは、エジプトへの逃避行を説明するために、ホセア11:1 を引用している。「これは、主が預言者を通して、『わたしはエジプトから、わたしの子を呼び出した』と言われた事が成就するためであった」(15 節)。このような旧約聖書の引用法は、マタイだけに特有なものではなく、ユダヤ教のラビたちが普通に行っていたものである。(1)これは、実際に起こった歴史的事件(出エジプトの出来事)を、「型(タイプ)」として引用する方法である。(2)出エジプトの出来事では、神が「わたしの子」と呼ばれるイスラエルの民をエジプトから呼び出された。これが「型(タイプ)」である。では、「本体(アンチタイプ)」は何か。(3)「本体(アンチタイプ)」は、「神の子の中の神の子」である御子イエスが、エジプトから救出されたという事実である。ここでの「エジプト」とは、「ヘロデの脅威」のことである。
神は、「神の子の中の神の子」であるイエスを守られた。それと同じように、イエス・キリストを通して「神の子」とされた私たちを守ってくださる。悪魔は「神の子」とされた私たちを破壊しようと暗躍するが、神の守りはそれ以上に確かなものである。私たちにとって最も安全な方法は、神のことばに信頼して歩むことである。みことばの学びによって神の御心を深く知れば知るほど、神からの語りかけを鮮明にキャッチすることができるようになる。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたは必ずや、信仰によって神の子とされる特権を得たこの私を守ってくださることを信じます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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エレミヤ書6~7、コリント人への手紙 第一11
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