4 そこで、王は、民の祭司長たち、学者たちをみな集めて、キリストはどこで生まれるのかと問いただした。
5 彼らは王に言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者によってこう書かれているからです。
6 『 ユダの地、ベツレヘム。あなたはユダを治める者たちの中で、決して一番小さくはない。わたしの民イスラエルを治める支配者が、あなたから出るのだから。』」
7 そこで、ヘロデはひそかに博士たちを呼んで、彼らから星の出現の時間を突き止めた。
8 そして、こう言って彼らをベツレヘムに送った。「行って幼子のことを詳しく調べ、わかったら知らせてもらいたい。私も行って拝むから。」
9 彼らは王の言ったことを聞いて出かけた。すると、見よ、東方で見た星が彼らを先導し、ついに幼子のおられる所まで進んで行き、その上にとどまった。
10 その星を見て、彼らはこの上もなく喜んだ。
11 そしてその家に入って、母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。そして、宝の箱をあけて、黄金、乳香、没薬を贈り物としてささげた。
12 それから、夢でヘロデのところへ戻るなという戒めを受けたので、別の道から自分の国へ帰って行った。
(1)東方の博士たちは、ミカ5:2 の預言(メシアがベツレヘムで誕生する)を知らなかった。それで、エルサレムにやって来て、「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。私たちは、東のほうでその方の星を見たので、拝みにまいりました」(2 節)と尋ねたのである。(2)ヘロデ王は、非常に猜疑心の強い男であった。彼は、ユダヤ人の王が誕生したと聞いて恐れを覚えた。ちなみに、当時彼は、ローマからの任命を受けてユダヤの王になっていたので、自分以外にユダヤ人の王が出るのは容認できないことであった。(3)彼は早速、祭司長や律法学者たちを呼び集め、メシアはどこで誕生するのかと問いただした。すると、メシアはベツレヘムで誕生するとの回答があった。(4)そこでヘロデは、ひそかに博士たちを呼び、星がいつ頃から出現したのかをつきとめた(それは、およそ2 年前のことであった)。彼は、自分からベツレヘムに行くつもりはなかったが、幼子のありかを探るために大嘘をついた。「行って幼子のことを詳しく調べ、わかったら知らせてもらいたい。私も行って拝むから」(8 節)。エルサレムからベツレヘムまでは、徒歩で半日もかからない距離である。驚くべきことに、ヘロデも宗教的指導者たちも、一歩も動こうとはしなかった。
(1)ベツレヘムに向かう博士たちを、再び星(シャカイナ・グローリー)が導いた。その星は、幼子がいた家の上にとどまった(この時には、イエスの一家はすでに洞窟から家に移り住んでいた。時間の経過を感じさせる箇所である)。(2)再び星が現れたのを見て、博士たちは非常に喜んだ。彼らはその家に入り、ひれ伏して幼子イエスを礼拝した。これが、異邦人による最初のメシア礼拝となった。(3)彼らは、黄金、乳香、没薬を贈り物としてささげた。旧約聖書の伝統では、黄金は王としての身分を、乳香は神性を、没薬は死を象徴するものである。3 種類の贈り物は、イエスが神であり、王であり、そして贖いの死を遂げるメシアであることを象徴している。
神はすべての人の心の中をご存じである。ヘロデの欺瞞も、博士たちの真実な礼拝も、すべて知っておられる。博士たちは、夢でヘロデのところに戻るなという戒めを受けたので、エルサレムに戻ることなく、別の道を通って国に帰って行った。今も、真実な信仰を持つ者には、神の守りと導きが与えられる。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。いつもあなたのシャカイナ・グローリーによって私を導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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