3 イスラエルは、彼の息子たちのだれよりもヨセフを愛していた。それはヨセフが彼の年寄り子であったからである。それで彼はヨセフに、そでつきの長服を作ってやっていた。
4 彼の兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、彼と穏やかに話すことができなかった。
「イスラエルは、彼の息子たちのだれよりもヨセフを愛していた」。ヤコブがヨセフを最も愛した理由は、「ヨセフが彼の年寄り子であったからである」。ヤコブは、ヨセフへの愛情表現として、非常に目立つことをした。「それで彼はヨセフに、そでつきの長服を作ってやっていた」。結果は火を見るよりも明らかである。
「そでつきの長服」について考えてみよう。ヘブル語では、「ケトニム・パスィム」である。「パス」とは「手のひら」のことで、それは、そでが手の先まである長服である。つまり、長子に着せる長服である。ここまでの創世記の物語を振り返ると、後継者選びがいかに難しいかが分かる。(1)アブラハムの場合は、イシュマエルかイサクかで問題になった。(2)イサクの場合は、エサウとヤコブの争いが起こった。(3)ヤコブの場合は、12 人の息子の中から選ばなければならないので、より一層困難が伴った。
レアの最初の4 人の子らは、後継者としてふさわしい人物であっただろうか。(1)長子ルベンは、創世記35:22 で重大な罪を犯した。(2)次男のシメオンと三男のレビは、ディナ事件においてシェケムで暴虐を働いた(34 章)。(3)四男のユダは、霊的に堕落していた(38 章)。つまり、全員失格である。
そばめであるビルハとジルパから生まれた子らは、後継者候補からは除外された。そうなると、候補としては、最愛の妻ラケルの長子であるヨセフしかいない(ベニヤミンはまだ幼少であった)。ヤコブはこの時点ですでに、ヨセフを後継者に選ぶことを決めており、それが長服を与えるという行為になって表れたと思われる。兄たちは、ヨセフが後継者候補になっていることを妬み、憤慨した。「彼の兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、彼と穏やかに話すことができなかった」。
イエスが裁判にかけられた理由もまた、「妬み」であった。「ピラトは、彼らがねたみからイエスを引き渡したことに気づいていたのである」(マタ27:18)。ヨセフに起こったこと、また、キリストに起こったことは、私たちにも起こり得る。パウロはテモテにこう助言している。「確かに、キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願う者はみな、迫害を受けます」(2 テモ3:12)。しかし、いかなる迫害や逆境も、キリストにあっては益に変えられる。神の時が来るのを待つための忍耐心を、主からいただこうではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたはすべてを益と変えることのできるお方です。どうか私に、忍耐心を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
サムエル記第二1~2、使徒の働き4
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