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創世記26:6 ~ 11

6 イサクがゲラルに住んでいるとき、

7 その土地の人々が彼の妻のことをたずねた。すると彼は、「あれは私の妻です」と言うのを恐れて、「あれは私の妹です」と答えた。リベカが美しかったので、リベカのことでこの土地の人々が自分を殺しはしないかと思ったからである。

8 イサクがそこに滞在して、かなりたったある日、ペリシテ人の王アビメレクが窓から見おろしていると、なんと、イサクがその妻のリベカを愛撫あいぶしているのが見えた。

9 それでアビメレクはイサクを呼び寄せて言った。「確かに、あの女はあなたの妻だ。なぜあなたは『あれは私の妹です』と言ったのだ。」それでイサクは、「彼女のことで殺されはしないかと思ったからです」と答えた。

10 アビメレクは言った。「何ということをしてくれたのだ。もう少しで、民のひとりがあなたの妻と寝て、あなたはわれわれに罪を負わせるところだった。」

11 そこでアビメレクはすべての民に命じて言った。「この人と、この人の妻にれる者は、必ず殺される。」

アビメレクとの関係

ゲラルに住んだイサク

「そこで、イサクはゲラルに住んだ」。ゲラルに住むことは、主の命令に忠実に従ったということである。ゲラルは、約束の地の領域内にあった都市国家である。【主】からの命令の中には、ベエル・シェバやベエル・ラハイ・ロイに戻れということばはなかった。つまり、以前住んでいた場所に戻る必要はないのである。
ゲラルに滞在中、イサクは父アブラハムがおかしたのと同じ罪を犯す。(1)彼は、妻のリベカを自分の妹だと告げた。アブラハムも同じ罪を犯したが、アブラハムの場合は、半分うそで半分本当だった。しかし、イサクの場合は、100 パーセントの嘘であった。(2)イサクが嘘をついた原因は、恐れである。「リベカが美しかったので、リベカのことでこの土地の人々が自分を殺しはしないかと思ったからである」。(3)創世記には、妻を妹といつわる出来事が、3 度出て来る(12、20、26 章)。

嘘が発覚した経緯

イサクの嘘は、長い間ばれなかったようであるが、ある偶然によって発覚する。(1)「ペリシテ人の王アビメレクが窓から見おろしていると、なんと、イサクがその妻のリベカを愛撫しているのが見えた」。嘘はいつかばれる。(2)アビメレクはイサクを追求した。「何ということをしてくれたのだ。もう少しで、民のひとりがあなたの妻と寝て、あなたはわれわれに罪を負わせるところだった」。アビメレクは、イサクの嘘がいかに危険なことであるかを指摘してきしたのである。創世記20:1 ~18のアブラハムとサラの事件が、民族の記憶として残っていたのであろう。(3)イサクは、「彼女のことで殺されはしないかと思ったからです」と、言い訳をした。(4)アビメレクは、ただちに勅令ちょくれいを出した。「この人と、この人の妻に触れる者は、必ず殺される」。死刑は、カナン人の法律としてはきわめてきびしいものである。この勅令は、ゲラルにおいてイサクの偉大いだいさが認められていたことをも示している。「イサクをのろうことは、自らが呪われることである」との認識が広まっていたのであろう。
アビメレクがイサクとリベカの様子を目撃したのは、単なる偶然ではないだろう。アブラハムの時と同じように、その背後に神の介入があったと考えられる。神はご自身の契約に忠実なお方である。もしリベカが他の男にうばわれたとするなら、メシア誕生の約束は成就しないことになる。神は、イエス・キリストを信じる私たちをも守ってくださる。日々、神とともに歩む人は幸いである。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。あなたは、アブラハムやイサクをその罪の中にあってもお守りになりました。どうか、この私をもあなたの強き御手によってお守りください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

申命記5~6、マタイの福音書19