恐れるな

「これらの出来事の後」。アブラムが勇士ゆうしとして王たちとの戦いに勝利した（創14 章）直後に、神からの語りかけがあった。（1）これは、3 度目のアブラハム契約の確認である。そして、神がアブラムに現れるのはこれで4 度目である。（2）今回は、「【主】のことば」がアブラムに臨んでいる。「【主】のことば」という用語が出てくるのは、ここが最初である。（3）「幻」のうちに「【主】のことば」がアブラムに臨み、アブラハム契約が正式に締結ていけつされることになるのである。
神からの最初のことばは、「アブラムよ。恐れるな」であった。神はアブラムの名前をご存知だった。つまり、彼の本質を知っておられたということである。神は、私たちの名前も、ひとりひとりすべてご存知である。イエス・キリストは、ザアカイの名前を呼んで彼を招まねかれたが、それと同じように、私たちも招かれている。ここには、聖書に出てくる最初の「恐れるな」が書かれている。アブラムだけでなく、イサクに対しても（創26：24）、ヤコブに対しても（創46：3）、「恐れるな」という励はげましのことばが語られる。3 人の族長たちは全員、人生のある時点で恐れを感じたことがあるのだ。彼らもまた、私たちと同じ人間であった。

恐れなくてもよい理由

恐れなくてもいい理由が、2 つ語られる。（1）「わたしはあなたの盾である」。このことばによって、アブラムは、神の守りのゆえに4 人の王に勝利できたことを知る。この箇所は、神を「盾」にたとえる最初の例である。ちなみに、「盾」はヘブル語で「マーゲン」という。「ダビデの盾」のことを「マーゲン・ダヴィッド」というが、これは「ダビデの星」のことである。聖書は「ダビデの盾（星）」については何も語っていない。聖書にあるのは、「アブラムの盾」だけである。（2）「あなたの受ける報いは非常に大きい」。アブラムにとっての報いとは、神ご自身のことであり、また、神が与える祝福（富）のことでもある。神に信頼する者は、神の守りの中に置かれている。
誰の人生においても、恐れや不安を感じる時がやって来る。恐れや不安を乗り越える秘訣は何か。・ 過去にどのような神の助けがあったかを思い出し、それをリストアップしよう。・ 神が「私の盾」となってくださることをみことばから学ぼう。・ 恐れや不安を神に委ねよう。神は、私たちの盾となり、私たちを守り、私たちに勝利を与えてくださる。