7 さて、その場所の近くに、島の首長でポプリオという人の領地があった。彼はそこに私たちを招待して、三日間手厚くもてなしてくれた。
8 たまたまポプリオの父が、熱病と下痢とで床に着いていた。そこでパウロは、その人のもとに行き、祈ってから、彼の上に手を置いて直してやった。
9 このことがあってから、島のほかの病人たちも来て、直してもらった。
10 それで彼らは、私たちを非常に尊敬し、私たちが出帆するときには、私たちに必要な品々を用意してくれた。
「さて、その場所の近くに、島の首長でポプリオという人の領地があった。彼はそこに私たちを招待して、三日間手厚くもてなしてくれた」。(1)島の首長でポプリオという人が登場する。「首長」は、ギリシア語で「プロトス」であり、ローマの官職のタイトルである。この人は、マルタ島の総督であった。(2)パウロの一行は、総督ポプリオの家に招かれた。①まむし事件で、ポプリオは感銘を受けたのであろう。②パウロ、ルカ、アリスタルコスの3 人は、3 日間にわたって手厚いもてなしを受けた。
「たまたまポプリオの父が、熱病と下痢とで床に着いていた。そこでパウロは、その人のもとに行き、祈ってから、彼の上に手を置いて直してやった。…」。(1)パウロは、ポプリオの父を癒した。ポプリオの父は、熱病と下痢で床に着いていた。これはマルタ熱と呼ばれる感染症で、特に地中海沿岸に分布するものである。マルタ島のヤギの生乳の飲用により感染すると言われている。パウロは、祈り、手を置いてから癒した。(2)パウロによる癒しの噂が、島中に広がった。ほかの病人たちも来て、パウロによって直してもらった。(3)島民たちは、3 ヶ月後に出帆する時には、必要な品々を用意してくれた。
イエスが行われたカペナウムでの癒し(ルカ4:38〜40)を思い出しながら、ルカが描く主イエスとパウロの対比を見てみよう。(1)イエスは、一人の癒しから始め、多くの人を癒された。パウロも、一人の癒しから始め、島の他の病人たちを癒した。(2)最初の一人は、イエスをもてなしている人の家族( 姑)であった。パウロの場合の最初の一人は、パウロをもてなしてくれた総督の父であった。(3)ペテロの姑は、高熱(風土病)で苦しんでいた。総督の父も、高熱(マルタ熱)で苦しんでいた。(4)イエスは、一人ひとりに手を置いて、癒した。パウロも、祈り、手を置いて、癒した。
ルカの福音書と使徒の働きを一つの記録として見ると、イエスの公生涯の最初の出来事と、使徒の働きの最後の出来事が、対比されていることが分かる。ルカは、福音書でイエスの生涯を描き、使徒の働きで復活のイエスの活動を描いた。パウロは、イエスに用いられた神の器である。イエスは、今も教会建設の業を進めておられる。私たちは、その目的のために仕える神のしもべたちである。私たちを通して、神の栄光が現れるように祈ろうではないか。
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