サポートする

使徒の働き17:29 ~ 34

29 そのように私たちは神の子孫ですから、神を、人間の技術や工夫で造った金や銀や石などの像と同じものと考えてはいけません。

30 神は、そのような無知の時代を見過ごしておられましたが、今は、どこででもすべての人に悔い改めを命じておられます。

31 なぜなら、神は、お立てになったひとりの人により義をもってこの世界をさばくため、日を決めておられるからです。そして、その方を死者の中からよみがえらせることによって、このことの確証をすべての人にお与えになったのです。」

32 死者の復活のことを聞くと、ある者たちはあざ笑い、ほかの者たちは、「このことについては、またいつか聞くことにしよう」と言った。

33 こうして、パウロは彼らの中から出て行った。

34 しかし、彼につき従って信仰に入った人たちもいた。それは、アレオパゴスの裁判官デオヌシオ、ダマリスという女、その他の人々であった。

アテネ伝道(9)

アテネでの伝道から学ぶ教訓

次に進む前に、アテネ伝道から学ぶ教訓を確認してみよう。
(1)メッセージの準備ではなく、自分自身の準備に力を注ぐ。
振り返ってみると、パウロのメッセージは、そのほとんどが即興であった。川岸でのメッセージ、広場でのメッセージ、アレオパゴスでのメッセージなどがあった。アテネでの伝道においても、彼は、福音伝達の機会を特定の場に限定しなかった。彼には、メッセージを準備する時間的余裕がなかった。しかし、いつでも福音を語ることができるように、自分自身を整えていた。

(2)福音の神髄を語る。
パウロは、融和的イントロダクションから始め、最後は福音の神髄しんずいを語った。ヨハネ16:8 にこうある。「その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます」。パウロのメッセージは、この聖句通りであった。偶像礼拝の罪(29 節)。義(31 節)。裁き(31 節)。「神は、お立てになったひとりの人により義をもってこの世界をさばくため、日を決めておられる」。福音の神髄を語るところまで行かないなら、それは本物の伝道ではない。

(3)問題は、聴く人の心の中にあることを知る。
応答する人が少なかったのは、パウロのメッセージに問題があったからではない。問題は、聴く人の心の中にある。アテネ人は、論じるのは好きだが、行動に移すのは嫌という人たちである。福音の神髄を語るなら、救われる人は必ず起こされる。それは、神御自身がなさることである。

(4)迫害なしに次の町へ移動できることを、神に感謝する。
アテネは、迫害なしに去ることができた最初の町である。アテネに教会が誕生したかどうかは、ルカは記録していない。しかし、紀元2 世紀~ 4 世紀にかけて、アテネ教会は多くの指導者たちを輩出はいしゅつしている。パウロがいた種が大きく生長したのである。私たちが為すべきことは、忠実に福音を語り、結果は神に委ねることである。神に喜ばれているという確信を持っている人は、幸いである。迫害なしに伝道できることを、神に感謝しよう。

きょうの祈り

父なる神さま。今は、伝道の自由が守られていることを感謝します。忠実に福音を語ることができるよう、聖霊によって助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

創世記 29~30、マルコの福音書 11