16 私たちが祈り場に行く途中、占いの霊につかれた若い女奴隷に出会った。この女は占いをして、主人たちに多くの利益を得させている者であった。
17 彼女はパウロと私たちのあとについて来て、「この人たちは、いと高き神のしもべたちで、救いの道をあなたがたに宣べ伝えている人たちです」と叫び続けた。
18 幾日もこんなことをするので、困り果てたパウロは、振り返ってその霊に、「イエス・キリストの御名によって命じる。この女から出て行け」と言った。すると即座に、霊は出て行った。
「私たちが祈り場に行く途中、占いの霊につかれた若い女奴隷に出会った。この女は占いをして、主人たちに多くの利益を得させている者であった」。(1)これは恐らく、ルデヤが救われた安息日の翌週の出来事であろう。一行は、安息日に祈り場に向かっていた。目的地は、川岸にある祈り場である。(2)一行は、「占いの霊につかれた若い女奴隷に出会った」。女奴隷は、「パイディスケイ」である。使徒12:13 に「ロダという女中」が出て来るが、彼女もパイディスケイである。(3)彼女は、悪霊につかれていた(内面が悪霊によって支配されていた)。これは、並の悪霊ではない。「占いの霊」とは、ギリシア語で「プニュウマ・プソウン」である。これは、「デルフォイの神託」の背後にいる悪霊である。デルフォイのアポロン神殿は、神託を得られる場所として有名であった。人々は、戦争、健康問題、投資などについて、神託を求めた。アポロン神殿の巫女が、恍惚状態になり、「プソウン」のお告げを聞いた。「プソウン」は、神秘的な蛇だと考えられていた。(4)「この女は占いをして、主人たちに多くの利益を得させている者であった」。悪霊の力は現実的なものである。悪霊は、偶像礼拝者に利益をもたらすことができる。主人たちは、この女奴隷を共同所有し、利用していたのである。
「彼女はパウロと私たちのあとについて来て、『この人たちは、いと高き神のしもべたちで、救いの道をあなたがたに宣べ伝えている人たちです』と叫び続けた」。(1)彼女が一行のあとについて来た目的は、伝道の妨害をするためである。(2)注目すべきは、彼女が叫んでいる内容は間違ってはいないという点である。①この人たちは、いと高き神のしもべたちである(その通りである)。②救いの道をあなたがたに宣べ伝えている人たちである(その通りである)。彼女は、この情報をどのようにして手に入れたのであろうか。悪霊は、超自然的な知識を持っている。また、悪の世界のネットワークを持っている。(3)女奴隷の存在が、なぜ伝道の妨害になるのか。①人々は、パウロが伝えるメッセージと占いの霊が関連していると誤解するだろう。②その結果、イエス・キリストの福音の純粋性が、悪霊との関連付けによって汚される。
福音が新しい領域に広がる時、悪霊の妨害が起こることがよくある。そうなっても驚く必要はない。むしろ、悪霊が恐れるほどに伝道が進んでいることを感謝し、神に信頼し続ければよい。
きょうの祈り
天の父なる神さま。福音の前進は悪霊を恐れさせます。妨害に直面する時こそ、あなたを信頼し、大胆に伝道ができるよう導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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