4 さて、彼らは町々を巡回して、エルサレムの使徒たちと長老たちが決めた規定を守らせようと、人々にそれを伝えた。
5 こうして諸教会は、その信仰を強められ、日ごとに人数を増して行った。
「さて、彼らは町々を巡回して、エルサレムの使徒たちと長老たちが決めた規定を守らせようと、人々にそれを伝えた」。(1)テモテを加えたので、伝道チームは3 人体勢になった(パウロ、シラス、テモテ)。彼らは町々を巡回した。第一次伝道旅行のコースを辿ったので、イコニオムとピシデヤのアンテオケを訪問したのであろう。(2)彼らは、エルサレム会議の決定を記した手紙の内容を、諸教会で教えた。手紙の内容は、①恵みと信仰による救いと② 4 つの禁止令である。4 つの禁止令は、ユダヤ人信者と異邦人信者の関係を平和的に維持するためのガイドラインである。
「こうして諸教会は、その信仰を強められ、日ごとに人数を増して行った」。これは、使徒の働きの中に出て来る5 番目の教会成長報告である(使2:47、6:7、9:31、12:24、16:5、19:20、28:30 ~ 31)。またこれは、イスラエルの地の外で起こった教会成長の報告である。
(1)パウロが訪問している諸教会は、特定の組織の下に置かれていたわけではない。①エルサレム会議やエルサレム教会が、最高権威だというわけではない。②エルサレム会議の決議は、命令ではなく、助言である。つまり、エルサレム教会や使徒たちは、諸教会に対して助言者の役割を果たした。(2)地域教会は、それぞれが自立した存在である。黙示録1:13 にこうある。「それらの燭台の真ん中には、足までたれた衣を着て、胸に金の帯を締めた、人の子のような方が見えた」。燭台は、教会の象徴である。それぞれの燭台は、人の子のような方と等距離にある。つまり、地域教会は、それぞれが直接キリストにつながっている。(3)聖書は、ピラミッド型の教会組織を想定していない。ピラミッド型の教会組織には、いくつかの危険が伴う。①自立した教会は、直接キリストに責任を負うが、ピラミッド型の教会組織では、誤った教理が短時間の内に拡散する可能性がある。②自立した教会は、迫害時には地下に潜ることができるが、ピラミッド型の教会組織は、全体主義的政府の支配下に容易に置かれる危険性がある。その例として、中国の公認教会と地下教会の例、ナチスドイツの例、戦時中の日本の例などを上げることができる。日本基督教団は、1941 年に日本国内のプロテスタント33教派が「合同」して成立した合同教会で、戦時中はもっぱら戦時体制に貢献させられた。教会の自立は、極めて重要な聖書的課題である。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。今も教会は成長過程にあります。どうか、私を用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
歴代誌 第二5~6、詩篇139~140
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