説教に対する反応（3）

多くの異邦人が、パウロの語る福音を信じ、喜びに満たされた。彼らを通して、福音はこの地方全体に広まった。ところが、それを喜ばないユダヤ人たちがいた。彼らはパウロとバルナバを排除する行動に出る。
「ところが、ユダヤ人たちは、神を敬う貴婦人たちや町の有力者たちを扇動して、パウロとバルナバを迫害させ、ふたりをその地方から追い出した。ふたりは、彼らに対して足のちりを払い落として、イコニオムへ行った」。（1）ユダヤ人たちは、パウロとバルナバをその地方から追い出した。彼らが利用したのは、「神を敬う貴婦人たち」と「町の有力者たち」である。①当時は、ユダヤ教に関心を示す女性たちが多くいた。彼女たちには考える時間が十分あった。また、割礼の心配をする必要がなかった。「神を敬う貴婦人たち」は、相当な力を持っていた。彼女たちは、夫に働きかけることによって力を発揮することができたのである。②「町の有力者たち」とは、市の高官たちであろう。彼らもまた、相当な力を持っていた。（2）パウロは、2 テモテ3：11 で自らの経験に言及している。「またアンテオケ、イコニオム、ルステラで私にふりかかった迫害や苦難にも、よくついて来てくれました。何というひどい迫害に私は耐えて来たことでしょう。しかし、主はいっさいのことから私を救い出してくださいました」。（3）パウロとバルナバは、ピシデヤのアンテオケを去ってイコニオムへ移動した。①「足のちりを払い落として、」とは、片方のサンダルを脱ぎ、ちりを払い落とす行為である。これは、「この地は、一片のちりに至るまで汚れている」ということを示す儀式である。②マタイ10：14 で、主イエスはこのことを教えておられる。「もしだれも、あなたがたを受け入れず、あなたがたのことばに耳を傾けないなら、その家またはその町を出て行くときに、あなたがたの足のちりを払い落としなさい」。③二人は、南東に約135 キロ移動して、イコニオムに行った。
「弟子たちは喜びと聖霊に満たされていた」。（1）この町に小さな教会が誕生した。「弟子たち」とは、イエス・キリストの弟子たち、つまり信者たちである。（2）彼らは、喜びに満たされていた。喜びは、福音の実である。また彼らは、聖霊に満たされていた。
パウロとバルナバの不屈の精神から教訓を学ぼう。一つの扉が閉ざされても、別の扉が開かれる。キリストにあっては、失望することはない。