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使徒の働き10:11 ~ 16

11 見ると、天が開けており、大きな敷布しきふのような入れ物が、四隅よすみをつるされて地上に降りて来た。

12 その中には、地上のあらゆる種類の四つ足の動物や、はうもの、また、空の鳥などがいた。

13 そして、彼に、「ペテロ。さあ、ほふって食べなさい」という声が聞こえた。

14 しかしペテロは言った。「主よ。それはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません。」

15 すると、再び声があって、彼にこう言った。「神がきよめた物を、きよくないと言ってはならない。」

16 こんなことが三回あって後、その入れ物はすぐ天に引き上げられた。

ペテロが見た幻(2)

幻の内容

「見ると、天が開けており、大きな敷布のような入れ物が、四隅をつるされて地上に降りて来た。その中には、地上のあらゆる種類の四つ足の動物や、はうもの、また、空の鳥などがいた。・・・」。(1)地上に降りて来た敷布は、船ののような巨大な布である。ペテロは、ガリラヤ湖で乗っていた船を思い出したことであろう。(2)その中には、地上のあらゆる種類の動物が入っていた。四つ足の動物、はうもの(は虫類)、空の鳥。魚は敷布の中では泳げないので、入っていなかった。(3)「ペテロよ、立ち上がり、ほふって食べなさい」(新改訳2017)。これは、バット・コル(父なる神が発する短い言葉)である。パウロはダマスコ途上で、ペテロはヨッパで、バット・コルを聞いた。(4)バット・コルは、食物規定に反する命令を与えた。清浄食物(コシェル)の規定は、レビ記11 章に記されている。食べて良いのは、反芻はんすうする四つ足動物で、ひづめが分かれ割れているものと、特別な種類の鳥である。それ以外の動物は、不浄食物である。
「しかしペテロは言った。『主よ。それはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません。』・・・」。(1)ペテロは、丁寧に、しかし、はっきりと神の命令を拒んだ。ペテロは空腹であったが、そこまで空腹ではなかったのだ。彼は、まだ一度も不浄な食物を食べたことがないとアピールした。(2)しかし、2 度目のバット・コルがあった。神がきよめた物なのだから、食べて良いというのである。マルコ7:19 にはこうある。「『そのような物は、人の心には、入らないで、腹に入り、そして、かわやに出されてしまうのです。』イエスは、このように、すべての食物をきよいとされた」。後半の部分は、マルコの福音書だけに出て来る。マルコの情報源は、ペテロである。(3)同じことが3 回繰り返されたが、ペテロは自分の意志を曲げなかった。巨大な敷布は、すぐ天に引き上げられた。
ペテロの訓練には、3 という数字がよく登場する。キリストを3 度否んだこと(マコ146672)。キリストへの愛を3 度告白したこと(ヨハ211517)。この箇所での、3 度の幻。恐らくペテロは、この幻によって、自分が試されていると感じたのであろう。しかし、この幻には「落ち」がなかった。それで、彼は思案したのである。私たちの人生においても、神が繰り返し同じことをお語りになる場合がある。神の声を正しく聞く人は幸いである。

きょうの祈り

天の父なる神さま。あなたは、あらゆる方法によって信者を訓練してくださいます。その訓練を受ける時、御心を正しく理解できるよう助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

ハバクク書1~3、テモテへの手紙 第一3