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使徒の働き7:2 ~ 8

2 そこでステパノは言った。「兄弟たち、父たちよ。聞いてください。私たちの父アブラハムが、ハランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて、

3 『 あなたの土地とあなたの親族を離れ、わたしがあなたに示す地に行け』と言われました。

4 そこで、アブラハムはカルデヤ人の地を出て、ハランに住みました。そして、父の死後、神は彼をそこから今あなたがたの住んでいるこの地にお移しになりましたが、

5 ここでは、足のみ場となるだけのものさえも、相続財産として彼にお与えになりませんでした。それでも、子どももなかった彼に対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。

6 また神は次のようなことを話されました。『彼の子孫は外国に移り住み、四百年間、奴隷にされ、虐待ぎゃくたいされる。』

7 そして、こう言われました。『彼らを奴隷にする国民は、わたしがさばく。その後、彼らはのがれ出て、この所で、わたしを礼拝する。』

8 また神は、アブラハムに割礼の契約をお与えになりました。こうして、彼にイサクが生まれました。彼は八日目にイサクに割礼を施しました。それから、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました。

ステパノの弁明①

アブラハム:ユダヤ教の土台

「兄弟たち、父たちよ。聞いてください。私たちの父アブラハムが、ハランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて、・・・」。(1)「兄弟たち」とは、親愛の情を込めた温かい呼びかけである。「父たち」とは、サンヘドリンの議員たちに対する尊敬の呼びかけである。(2)ステパノの弁明のゴールは、次のようなものである。トーラーや神殿は、重要ではあるが、ユダヤ教の神髄しんずいではない。それらのものは、ユダヤ教の土台がえられて以降に付加された。ユダヤ教の神髄とは、神の民に対する神の愛であり、守りの計画である。しかし、神の民は、一貫して父の計画を認識することに失敗して来た。(3)最初の事例として、アブラハムが取り上げられる。「私たちの父アブラハム」は、ユダヤ教の式文に出て来る慣用句である。神は、アブラハムをした(創113112:3)。当時のアブラハムは、メソポタミアに住む異邦人であった。(4)アブラハムは、カルデヤ人の地からハランへ移動し、父の死後、ハランから約束の地へ移動した。神はアブラハムに、土地を与えると約束された。また、彼の子孫が約束の地を所有するようになると約束された。
「また神は次のようなことを話されました。『彼の子孫は外国に移り住み、四百年間、奴隷にされ、虐待される。』そして、こう言われました。『・・・その後、彼らはのがれ出て、この所で、わたしを礼拝する』」。(1)彼の子孫は、土地を所有する前に、外国で奴隷となり、虐待される。その奴隷状態が400 年間続く。(2)しかし神は、アブラハムの子孫を奴隷にした国を裁かれる。彼の子孫は、その国をのがれ、約束の地で神を礼拝するようになる。
「また神は、アブラハムに割礼の契約をお与えになりました。こうして、彼にイサクが生まれました。・・・イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました」。(1)神は、アブラハム契約の約束を必ず成就することを割礼によって確認された。トーラーや神殿ではなく、割礼(アブラハム契約)がユダヤ教の土台である。(2)アブラハムから、イサク、ヤコブ、12 人の族長が生まれた。次にステパノは、イサクとヤコブを飛ばして、曽孫そうそん(ひ孫)のヨセフに飛ぶ。
ユダヤ教(聖書的ユダヤ教)の土台は、アブラハム契約にあることを覚えよう。神がアブラハムに与えた約束の中に、すでに異邦人の祝福が含まれている。信仰とは、神の約束に対する応答のことである。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。イエスにあって、アブラハム契約の祝福に加えられていることを感謝します。あなたの約束を信じます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エレミヤ書50~51、コリント人への手紙 第二12