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使徒の働き1:20 ~ 22

20 実は詩篇には、こう書いてあるのです。『彼の住まいはてよ、そこには住む者がいなくなれ。』また、『そのしょくは、ほかの人に取らせよ。』

21 ですから、主イエスが私たちといっしょに生活された間、

22 すなわち、ヨハネのバプテスマから始まって、私たちを離れて天に上げられた日までの間、いつも私たちと行動をともにした者の中から、だれかひとりが、私たちとともにイエスの復活の証人とならなければなりません。」

ペテロの提言

詩篇の引用

ペテロは、詩篇6925 と109:8 を引用した。「実は詩篇には、こう書いてあるのです。『彼の住まいは荒れ果てよ、そこには住む者がいなくなれ。』また、『その職は、ほかの人に取らせよ。』」。(1)詩篇の中には、悪人に神の裁きが下るように祈り求める詩篇がある。これは「復讐ふくしゅう」を求める祈りではなく、「神の義」が守られることを願う祈りである。ペテロが引用した詩篇69 篇と109 篇は、ともにこの範疇はんちゅうに入る詩篇である。(2)これらの詩篇の作者はダビデだが、彼が具体的にユダの裏切りについて預言よげんしたということではない。ではなぜ、これらの聖句がユダに適用されるのか。 引用した2 つの聖句は、王に対する反逆者が裁かれるようにという祈りである。 王はメシアの予型である。 イエスを裏切ったユダは、旧約聖書における「王に対する反逆者」と同じ悪人である。「 王に対する反逆者」が裁きを受けたとするなら、イエスを裏切ったユダが裁きをまぬかれるはずがない。 以上の議論ぎろんはユダヤ的なもので、「大から小への議論」(カル・バホメル)と呼ばれるものである。

イエスの復活の証人

「ですから、主イエスが私たちといっしょに生活された間、すなわち、ヨハネのバプテスマから始まって、私たちを離れて天に上げられた日までの間、いつも私たちと行動をともにした者の中から、だれかひとりが、私たちとともにイエスの復活の証人とならなければなりません」。(1)ペテロは、使徒となる資格しかくを2つ上げた。イエスの公生涯の期間、共に行動した者であること。公生涯の期間とは、「バプテスマのヨハネの活動から、イエスの昇天に至るまでの間」のことである。イエスの復活の目撃者であること。使徒の使命は、イエスの復活の証人となることである。福音の中心は、イエスの復活にある。使徒たちの証言によって、多くの人たちがイエスを救い主と信じるようになる。(2)この条件に合う者は、120 人の中で2 人しかいなかった。神はそのいずれかをすでに決めておられる。それゆえ、どちらが神から選ばれているかは、神にたずねるしかない。そこで、くじを引くのである。
信者たちは聖霊が下ることを待っていたが、何もしないで無為むいに時間を過ごしていた訳ではない。彼らは祈り、神の御心を求め、群れの組織化をはかった。つまり、自分たちに出来ることをしていたのである。私たちも、神よりも前に出ないことを心がけながら、自分の役目を果たすべきである。

きょうの祈り

父なる神さま。どうか、あなたの御心を求めつつ与えられた役目を果たせるよう助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書8~9、ローマ人への手紙6