16 「兄弟たち。イエスを捕らえた者どもの手引きをしたユダについて、聖霊がダビデの口を通して預言された聖書のことばは、成就しなければならなかったのです。
17 ユダは私たちの仲間として数えられており、この務めを受けていました。
18 ( ところがこの男は、不正なことをして得た報酬で地所を手に入れたが、まっさかさまに落ち、からだは真っ二つに裂け、はらわたが全部飛び出してしまった。
19 このことが、エルサレムの住民全部に知れて、その地所は彼らの国語でアケルダマ、すなわち『血の地所』と呼ばれるようになった。)
(1)ペテロは16 節で、「聖霊がダビデの口を通して預言された聖書のことば」と語っているが、これは、ペテロが聖書の霊感を信じていたことを示している。彼は、神のことばには二重著者(聖霊とダビデ)が存在することを認めていた。(2)ユダの裏切りは、聖書預言の成就である。先に行ってから、詩篇69:25 と109:8 が引用される。「成就しなければならなかったのです」とは、神の計画から見た必然性を示す言葉である。ユダは、使徒の一人として任命を受けていたが、イエスを裏切った。
次にルカは、ペテロの話をさえぎる形で挿入句を入れ、ユダの死について説明する。「ところがこの男は、不正なことをして得た報酬で地所を手に入れたが、まっさかさまに落ち、からだは真っ二つに裂け、はらわたが全部飛び出してしまった」。(1)ルカは、ユダが不正な報酬で地所を手に入れたと書いているが、マタイ27:3 ~ 10 では、祭司長たちが地所を買ったことになっている。これは矛盾なのか。ユダヤ的に解釈するなら、疑問は解ける。献金が不正の富である場合、それは献金者に返還された。ユダの場合は、すでに自殺していたので、返還は不可能であった。そこで祭司長たちは、ユダの名で地所を買い、公の用に供したのである。(2)ルカは、「からだは真っ二つに裂け、はらわたが全部飛び出してしまった」と書いている。ところが、マタイ27:5 にはこうある。「それで、彼は銀貨を神殿に投げ込んで立ち去った。そして、外に出て行って、首をつった」。この矛盾も、ユダヤ的に解釈するなら解決する。死体は汚れと見なされ、城壁内に夜を越えて留まることは許されなかった。そこで、ユダの死体は城壁からヒンノムの谷に投げ落とされたのである。彼のはらわたが全部飛び出したのは、その時の衝撃による。
「このことが、エルサレムの住民全部に知れて、その地所は彼らの国語でアケルダマ、すなわち『血の地所』と呼ばれるようになった」。この話は、エルサレム中で有名なものとなった。人々は、その地所を「血の地所」(アラム語で「アケルダマ」)と呼んだ。血塗られた金を使って、ユダの名で買われた地所だからである。挿入句はここで終わり、ペテロの話に戻る。
神は、人間が行う悪さえもご自身の計画のために用いられる。神に敵対する者は愚か者であり、神を恐れる者は知恵ある者である。
きょうの祈り
全知全能の神よ。あなたは人間の悪でさえもあなたのご計画のために用いることのできるお方です。あなたを恐れることを教えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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イザヤ書6~7、ローマ人への手紙5
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