12 そこで、彼らはオリーブという山からエルサレムに帰った。この山はエルサレムの近くにあって、安息日の道のりほどの距離であった。
「そこで、彼らはオリーブという山からエルサレムに帰った。この山はエルサレムの近くにあって、安息日の道のりほどの距離であった」。(1)弟子たちは、オリーブ山からエルサレムに帰還した。(2)「安息日の道のりほどの距離」とは、「安息日に歩くことが許される道のり」(新改訳2017)である。ユダヤ教の口伝律法では、ヨシュア3:4 を根拠に、約2,000 キュビトを安息日に移動出来る距離と決められている。「あなたがたと箱との間には、約二千キュビトの距離をおかなければならない。それに近づいてはならない。・・・」。(3)この距離は、約900 メートル弱である。つまり、短い距離を移動したということである。ルカは、異邦人読者のためにこの情報を書いている。
注目すべきは、弟子たちの忠実な姿勢である。彼らは、イエスの命令に従ってエルサレムに戻り、そこに留まろうとしている。エルサレムは、弟子たちにとっては危険な町であったが、彼らはそこに戻って行った。ここから、教訓を学ぶことが出来る。神の計画の場にいるなら、そこが最も安全な地である。
ここでエルサレムの重要性について確認しておこう。(1)アブラハムの時代には、サレムと呼ばれていた(創14:18)。(2)アブラハムはここで、イサクを捧げた(モリヤの山。創22 章)。(3)ダビデは、エブス人を征服し、ここを首都とした。それ以来、エルサレムは、ユダヤ人の霊的、精神的、文化的、政治的、経済的、軍事的中心となった。(4)ダビデがここに契約の箱を運び入れ(2 サム6:12)、ソロモンがここに神殿を建設した。(5)ユダヤ人たちは、エルサレムを世界の「ヘソ」と考えて来た(エゼ5:5)。(6)町と神殿は、前586 年にバビロン軍によって破壊された。(7)バビロンから帰還後(前6 世紀の終わり)、第2神殿が建設された。(8)約500 年後に、ヘロデ大王が第2 神殿を拡張した。エルサレムは、ローマ世界屈指の町として建て上げられた。(9)イエスはこの町で死に、復活し、昇天された。(10)使徒たちは、ペンテコステ以降、ここを伝道の拠点とするようになる。(11)イエスはこの町に戻って来られ、ここが千年王国の都となる。(12)異邦人は、礼拝のためのエルサレムに上って来るようになる。
エルサレムの重要性は、今も変わらない。エルサレムを中心軸として、神の計画を鳥瞰してみよう。私たちが生かされている時代がどういう時代か、見え始めると思う。
きょうの祈り
全知全能の神よ、弟子たちがオリーブ山からエルサレムへと帰った道のりを思い起こし、私たちも主の導きに従って歩みを進めます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
列王記第二25、詩篇47~48
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