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サムエル記第一28:8~14

8 サウルは、変装して身なりを変え、ふたりの部下を連れて、夜、その女のところに行き、そして言った。「霊媒によって、私のために占い、私の名ざす人を呼び出してもらいたい。」

9 すると、この女は彼に言った。「あなたは、サウルがこの国から霊媒や口寄せを断ち滅ぼされたことをご存じのはずです。それなのに、なぜ、私のいのちにわなをかけて、私を殺そうとするのですか。」

10 サウルは【主】にかけて彼女に誓って言った。「【主】は生きておられる。このことにより、あなたが咎を負うことは決してない。」

11 すると、女は言った。「だれを呼び出しましょうか。」サウルは言った。「サムエルを呼び出してもらいたい。」

12 この女がサムエルを見たとき、大声で叫んだ。そしてこの女はサウルに次のように言った。「あなたはなぜ、私を欺いたのですか。あなたはサウルではありませんか。」

13 王は彼女に言った。「恐れることはない。何が見えるのか。」この女はサウルに言った。「こうごうしい方が地から上って来られるのが見えます。」

14 サウルは彼女に尋ねた。「どんな様子をしておられるか。」彼女は言った。「年老いた方が上って来られます。外套を着ておられます。」サウルは、その人がサムエルであることがわかって、地にひれ伏して、おじぎをした。

霊媒の女

エン・ドルの女

エン・ドルに霊媒をする女がいると聞かされたサウルは、早速そこを訪問します。(1)そこに行くためには、敵陣近くを通らねばなりません。そこで彼は、変装して、夜の間に移動しています。目立たないように、部下もふたりしか連れて行っていません。この闇は、まさにサウルの心の闇を象徴しているかのようです。(2)霊媒の女は警戒心をなかなか解きませんでしたが、サウルが主にかけて誓ったために、ついにサウルの願いを聞き届けています。主に対する罪を犯しながら、サウルは主の御名によって誓っています。サウルとは、実に矛盾した男です。(3)サウルはこの女に、サムエルを呼び出してほしいと頼みます。

サムエルの登場

霊媒師は、死者の霊を呼び出して、その霊と交信します。しかし、霊媒師が呼び出しているのは、死者を装った悪霊です。悪霊が霊媒師に入り、死者のふりをして語るのです。ですから、霊媒師とは、霊媒の霊が宿る者のことを言います。さて、この箇所では、通常起こり得ない事が起こっています。それを見てみましょう。
(1)女はいつものように霊媒をします。ところが、様子がいつもとは違うのです。本物のサムエルが登場したとき、この女は驚いて、大声で叫んでいます。(2)また彼女は、依頼人がサウル王であることに気づき、「あなたはなぜ、私を欺いたのですか。あなたはサウルではありませんか」と語っています。(3)彼女には、地から上って来る人の姿が見えました。それは、サウルには見えていません。彼女はその姿を描写して、「こうごうしい方」、「年老いた方」、「外套を着ておられます」と語っています。(4)その説明を聞いて、サウルはサムエルが地から上って来たことを知り、ひれ伏しておじぎをします。「地」とは、死者が行く場所である「シェオール」のことです。
サウルは、サムエルが生きていたときには、その助言に従おうとはしませんでした。ところが、サムエルが死ぬと、禁を破ってまでサムエルと語ろうとしています。サウルの失敗から教訓を学びましょう。イエス・キリストに聞き従うのは、「いつか」ではなく、「今」です。

きょうの祈り

イエス・キリストの父なる神さま。今こそ恵みの時です。きょうもあなたを愛し、あなたを信じて歩みます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

列王記第一3~4、使徒の働き16