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サムエル記第一15:1~3

1 サムエルはサウルに言った。「主は私を遣わして、あなたに油をそそぎ、その民イスラエルの王とされた。今、主の言われることを聞きなさい。

2 万軍の主はこう仰せられる。『わたしは、イスラエルがエジプトから上って来る途中、アマレクがイスラエルにしたことを罰する。

3 今、行って、アマレクを打ち、そのすべてのものを聖絶せよ。容赦してはならない。男も女も、子どもも乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも殺せ。』」

万軍の主の命令

特権に伴う責務

サムエル記第一15章は、なぜサウルが決定的に王としての資格を奪われることになったのかを解説した章です。サウルはすでに、13:8~14で最初の失敗を犯していましたが、この章に出てくる第二の失敗は、彼が王としてふさわしくないことを決定的に証明するものとなりました。
サムエルはサウルに主の命令を伝えます。「主は私を遣わして、あなたに油をそそぎ、その民イスラエルの王とされた。今、主の言われることを聞きなさい」。この命令は、主から特権と祝福を受けた者には、それに伴う責務があることを教えています。王としての油注ぎを受けたのだから、主の命令を忠実に実行せよというのがそれです。あなたは、祝福に伴う責務について考えたことがありますか。

アマレクを聖絶せよ

主はサウルに、アマレクを聖絶せよとお命じになりました。つまり、人間も家畜も生かしておいてはならないというのです。(1)この命令は、アブラハム契約を前提に考えなければ理解できないものです。契約の民イスラエルを祝福する者は祝福を受け、イスラエルをのろう者はのろわれるというのが、その契約の中の一条項です。(2)遊牧の民アマレク人は、エサウの子孫でした(創世記3612)。彼らは、エジプトを出て荒野を旅するイスラエルの民を背後から襲い、落伍者を切り崩すという卑劣な行為に出ました(出エジプト記17:8~16、申命記251719)。これは、大いに主を怒らせました。(3)その事件から、すでに400年ほど経過していましたが、主はそれを記憶しておられました。そして、アマレク人への罰として、彼らを聖絶することをサウルに命じられたのです。この命令は、アブラハム契約の条項とアマレク人たちの悪行を前提にしなければ、容認しがたいことです。
アマレク人が滅ぼされるまでに400年の時間が経過しています。主はアマレク人たちの罪が満ちるのを待っておられたのです。主の裁きは不可解で不完全なものだと思う人がいるなら、その人は主の愛と忍耐とを誤解しています。主が下される判断は完全で、義の行為以外の何ものでもありません。主の命令に従うことを、特にイスラエルを祝福することを学びましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。祝福を受けた者には、責任が伴います。どうか私が使命を全うできますように、知恵と力で満たしてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

申命記31~32、ルカの福音書1