14 『荒らす憎むべきもの』が、自分の立ってはならない所に立っているのを見たならば(読者はよく読み取るように。)ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
15 屋上にいる者は降りてはいけません。家から何かを取り出そうとして中に入ってはいけません。
16 畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。
17 だがその日、哀れなのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。
18 ただ、このことが冬に起こらないように祈りなさい。
19 その日は、神が天地を創造された初めから、今に至るまで、いまだかつてなかったような、またこれからもないような苦難の日だからです。
20 そして、もし主がその日数を少なくしてくださらないなら、ひとりとして救われる者はないでしょう。しかし、主は、ご自分で選んだ選びの民のために、その日数を少なくしてくださったのです。
21 そのとき、あなたがたに、『そら、キリストがここにいる』とか、『ほら、あそこにいる』とか言う者があっても、信じてはいけません。
22 にせキリスト、にせ預言者たちが現れて、できれば選民を惑わそうとして、しるしや不思議なことをして見せます。
23 だから、気をつけていなさい。わたしは、何もかも前もって話しました。
イエスは、「再臨とそのしるし」について論じる前に、まず大患難時代について預言しています。前回の箇所(マルコ13:9~13)は、大患難時代の前半を預言したものでしたが、きょうの箇所(13:14~23)は、大患難時代の後半を預言したものです(マタイ24:15~28参照)。
(1)「荒らす憎むべきもの」の登場が、大患難時代の後半に入るしるしとなります(ダニエル書12:11)。「荒らす憎むべきもの」とは反キリストと呼ばれる人物で、神殿の至聖所に着座し、自らを神と宣言するようになります。その時偽預言者は、反キリストの像を至聖所に建て、人々にそれを拝ませようとします(ダニエル書12:11、IIテサロニケ2:3~10、黙示13:11~15参照)。
(2)「荒らす憎むべきもの」が登場したなら、ユダヤ人たちは国外に逃亡するようにと命じられています(黙示12章参照)。「山へ逃げなさい」とは、ヨルダン川の東にある山地のことです。「急いで」という点が強調されています。身重の女と乳飲み子を持つ女が哀れだと言われている理由は、迅速に移動できないからです。また、「このことが冬に起こらないように祈りなさい」というのも、同じ理由です。冬にはワジ(水無し川)に水が溢れますので、移動が困難になります。
(3)「荒らす憎むべきもの」によって、かつてなかったような世界規模のユダヤ人への迫害が始まります。その結果、多くのユダヤ人たちが殺されますが、神は日数を少なくする(3年半)ことによって、「選ばれた者たち」を救われます。
(4)偽キリスト、偽預言者たちが大きなしるしや不思議を行なって、選民を惑わそうとします(IIテサロニケ2:8~10、黙示13:11~15参照)。しかし、そのようなしるしや不思議を信じてはなりません。
主イエスは明確に、終わりの時代に起こる事を前もって教えてくださいました。本物と偽物とを見分けることがいかに重要であるかを覚えましょう。サタンは常に偽物を作り出して、クリスチャンたちを惑わそうとしています。聖書のことばによってすべての事項を吟味することを学びましょう。また、苦難の中に働く神の恵みを覚え、主に感謝しましょう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。サタンは今の時代も、クリスチャンたちを惑わそうとして活発に活動しています。どうか本物と偽物とを見分けることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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