イエスの約束の成就

イエスは、弟子たちの中にはその生存中に、イエスが神の国の栄光をもって現われるのを見る人々がいると約束されます。その約束は、次に起こる「変貌山の出来事」によって成就します。イエスの栄光を目撃するという特権にあずかったのは、ペテロ、ヤコブ、ヨハネの3人でした。
変貌山がどこかに関しては、タボル山という説と、ヘルモン山という説とがありますが、タボル山には当時すでに偶像の宮がありましたので、イエスが弟子たちを連れてそこに登ったとは思えません。ヘルモン山説が正しいと思われます。（1）イエスは、ペテロとヤコブとヨハネだけを連れて、その山に登っています。（2）祈りの中で、イエスの御姿が変貌し、栄光に輝き始めます。この栄光の輝きを「シャカイナ・グローリー」と言います。これは、イエスがメシア的王国（千年王国）でお持ちになる栄光そのものです。メシア的王国とは、イエスが再臨して後に地上に建てられる王国です。（3）モーセとエリヤが現われて、イエスと話し合っていました。

ペテロの反応

イエスがモーセとエリヤと話し合っているのを見たペテロは、口出しして、幕屋を3つ造ることを提案しています。ペテロがそのような提案をした理由は、「仮庵かりいおの祭り」の準備をする時が来たと早合点したからです。（1）「仮庵の祭り」は、メシア的王国を預言する祭りです（ゼカリヤ書14：16～18参照）。イエスの栄光の姿を見たとき、ペテロはメシア的王国がすでに到来したと解釈し、幕屋を建てて「仮庵の祭り」を祝おうとしたのです。（2）ペテロは、「仮庵の祭り」の前に「過越の祭り」が来なければならないということを理解していなかったのです。「過越の祭り」は、もちろんイエスの十字架を預言する祭りです。メシアの生涯は、十字架の死、復活、召天、再臨という順番で進んでいきます。
その時、天からの声が聞こえてきます。「これは、わたしの愛する子である。彼の言うことを聞きなさい」。イエスこそすべてのすべてです。あなたは、イエスだけを見て歩んでいますか。イエスにのみ聞き従っていますか。イエスの前を歩いているようなことがないかどうか、自己吟味をしてみましょう。