31 それから、イエスはツロの地方を去り、シドンを通って、もう一度、デカポリス地方のあたりのガリラヤ湖に来られた。
32 人々は、耳が聞こえず、口のきけない人を連れて来て、彼の上に手を置いてくださるよう、願った。
33 そこで、イエスは、その人だけを群衆の中から連れ出し、その両耳に指を差し入れ、それからつばきをして、その人の舌にさわられた。
34 そして、天を見上げ、深く嘆息して、その人に「エパタ」すなわち、「開け」と言われた。
35 すると彼の耳が開き、舌のもつれもすぐに解け、はっきりと話せるようになった。
36 イエスは、このことをだれにも言ってはならない、と命じられたが、彼らは口止めされればされるほど、かえって言いふらした。
37 人々は非常に驚いて言った。「この方のなさったことは、みなすばらしい。耳の聞こえない者を聞こえるようにし、口のきけない者を話せるようにされた。」
イエスは、ガリラヤ湖の東岸、デカポリス地方(31節)に退かれました。そこは異邦人の地で、ヘロデ・ピリポの領地でもありました。イエスの移動した地をたどっていくと、いかにヘロデ・アンテパスの領地を注意深く避けて行動していたかがわかります。前回の箇所では、カナン人の女が異邦人であるにもかかわらず、イエスの恵みを受けていました。きょうの箇所でも、異邦人への祝福が続きます。
イエスの周りに群集が集まって来ました。ユダヤ人もいたでしょうが、大半が異邦人でした。5:1~20に、レギオンにつかれた男が解放された記事が出てきますが、彼は故郷伝道に大きな成果を挙げたものと思われます。ここで、異邦人たちは二つの祝福に与っています。最初が癒しの奇跡、次が4,000人の給食の奇跡です(後半の奇跡は、次回見てみます)。これらの奇跡は、メシアであるイエスの祝福が、やがて異邦人にも提供されるようになるということを予表しています。
人々は、耳が聞こえず、口のきけない人を連れて来て、彼の上に手を置いて癒してくださいとイエスに願っています。(1)彼らがそう願ったのは、イエスが行なう奇跡を見たかったからです。(2)しかしイエスは、彼らの前ではしるしを行なわれませんでした。その人だけを群衆の中から連れ出し、個人的に癒しておられます。この癒しは、イエスがメシアであることを示すしるしとしてではなく、この人への憐れみの表われとして行なわれたものです。(3)癒しの手順と、癒された順番とが同じであることに注目しましょう。イエスは両耳に指を差し入れ、それからつばきをしてその人の舌に触っておられます。そして最後に、「エパタ(開け)」と言っておられます。するとその人の耳が開き、次に舌のもつれが解けて、話せるようになりました。(4)イエスは、このことを誰にも言わないようにお命じになりましたが、群集は、口止めされればされるほどイエスのことを言い広めました。
癒しの奇跡を目撃した異邦人たちは、イスラエルの神をあがめるようになりました。あなたは、どういう理由でイエスをほめたたえていますか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。あなたは、イスラエルに与えられた契約とは無縁であった私たち異邦人をも救いの中に入れてくださいました。心から御名をたたえ、あなたを礼拝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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