主の命令

ヨシュアは主のことばを民に伝えます。（1）これから起ころうとしている奇跡は、主がともにいて、民の前から敵を追い払われることを保証するものとなる。（2）イスラエルの部族の中から、各部族ごとに1人ずつ、12人を選ぶ。これは、12の石を拾うためです。（3）契約の箱を担ぐ祭司たちが先頭を行く。祭司たちの足の裏が水の中に入ると、川はせき止められる。
イスラエルの民は、主の命令をそのまま実行しました。

主の奇跡

祭司たちの足が水の中に入った瞬間、北から南に流れるヨルダン川は、上流のほうでせき止められました。（1）普段のヨルダン川は、川幅が25〜30メートル、深さが1〜3メートル程度です。しかし、大麦の刈り入れ時に当たる春先は、レバノン山系の雪解け水が流入し、川の水が溢れます。この状態の川を、家畜を連れた200万人の集団が渡るのは不可能です。（2）イスラエルの民がいた辺りから25キロメートルほど北に、アダムという町がありました（現在のテル・ダミヤ）。アダムからさらに北に20キロメートルほど上ると、ツァレタン（現在のテル・エス・サイディヤ）に着きます。水がせき止められたのは、アダムとツァレタンの間の約20キロメートルの間です。（3）これと似たような現象が、歴史上何度か起こっています。アラブの歴史家ノワイリは、次のように記しています。1267年12月、川の西側斜面が崩れてダムとなった。1909年と1927年、西側の堤がイスル・エド・ダミエの浅瀬に崩れ、川をせき止めた。現在でも、ヨルダン川にダムができるとしたら、アダムとツァレタンの間の20キロメートルの区間しかその可能性はありません。
この奇跡は、何よりも時間の奇跡（タイミングの奇跡）です。祭司の足が水に入った瞬間、水がせき止められ、民が全員向こう岸に渡り切った瞬間、水が元どおりになりました。またこの奇跡は、主がかつてモーセとともにいたように、ヨシュアとともにいるということを民に示すものとなりました。私たちの人生にも、ヨルダン渡河に似たようなことが起こります。川に足を入れるなら、乾いた地が現われます。信仰によって最初の一歩を踏み出しましょう。