1 【 主】はアブラムに仰せられた。「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。
2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。
3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」
アブラハム契約について2 回に分けて学んでみよう。(1)アブラムが最初に神の声を聞いたのは、カルデヤ人のウルにおいてであった(使7:2 ~ 4)。(2)そこで父テラは、家族を率いて神が示す地(カナンの地)に向かって旅立った(創11:31)。(3)テラの一家は、その途上、ハランに留まった。テラは205 歳になってその地で亡くなり、アブラムは神が示す地への旅を再開した。そのきっかけが、この箇所に記された神からの語りかけである。
この箇所は、アブラハム契約が初めて紹介される箇所である。(1)アブラハム契約は、聖書全体を貫く最も重要な契約で、人類救済の歴史は、この契約を軸に展開して行く。(2)この箇所は、アブラムと神の友情の始まりを記した箇所でもある。アブラムは、3 回「神の友」と呼ばれている(2 歴20:7、イザ41:8、ヤコ2:23)。
1 ~ 3 節の内容を要約すると、次のようになる。「あなたが『○○』をすれば、私はあなたに3 つの祝福を与える。その祝福に感謝して、さらにあなたが『○○』をすれば、私はさらにあなたに3 つの祝福を与える」。今回は、最初の命令と最初の3 つの祝福を取り上げる。
「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい」(1 節)。命令は「行きなさい」であるが、直訳すると「自分のために行け」となる。つまり、「あなたのためになるから、行け」ということである。これは、速やかに今までの生活環境から分離せよという命令である。
この命令には、3 つの祝福が伴っていた。(1)アブラムは、大いなる国民となる。大いなる国民とは、イスラエルの民のことである。(2)アブラムは、神の祝福を受ける。霊的祝福と物質的祝福の約束である。(3)アブラムの名は、大いなるものとなる。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はすべて、彼を信仰の父と仰いでいる。バベルの塔の事件では、人間が自らの名を上げようとしたが、ここでは、アブラムの従順に応えて神が彼の名を上げてくださるのである。
人類救済という大いなる計画は、アブラムの選びという小さな出来事から始まった。神の多いなる御業は、常に小さな出来事から始まる。この原則は、クリスチャン生活にそのまま当てはまる。自分にとって、「神が示す地」とはどのようなものなのか、黙想しようではないか。神の約束を信じて、小さな一歩を踏み出そう。
きょうの祈り
天の父なる神さま。私もまた、「自分のために」出て行きます。あなたに従うことは、私のためになります。その祝福は、周りの人々に溢れ出します。どうか私を用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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