8 ふたりの人がまだ寝ないうちに、彼女は屋上の彼らのところに上って来て、
9 その人たちに言った。「【主】がこの地をあなたがたに与えておられること、私たちはあなたがたのことで恐怖に襲われており、この地の住民もみな、あなたがたのことで震えおののいていることを、私は知っています。
10 あなたがたがエジプトから出て来られたとき、【主】があなたがたの前で、葦の海の水をからされたこと、また、あなたがたがヨルダン川の向こう側にいたエモリ人のふたりの王シホンとオグにされたこと、彼らを聖絶したことを、私たちは聞いているからです。
11 私たちは、それを聞いたとき、あなたがたのために、心がしなえて、もうだれにも、勇気がなくなってしまいました。あなたがたの神、【主】は、上は天、下は地において神であられるからです。
12 どうか、私があなたがたに真実を尽くしたように、あなたがたもまた私の父の家に真実を尽くすと、今、【主】にかけて私に誓ってください。そして、私に確かな証拠を下さい。
13 私の父、母、兄弟、姉妹、また、すべて彼らに属する者を生かし、私たちのいのちを死から救い出してください。」
14 その人たちは、彼女に言った。「あなたがたが、私たちのこのことをしゃべらなければ、私たちはいのちにかけて誓おう。【主】が私たちにこの地を与えてくださるとき、私たちはあなたに真実と誠実を尽くそう。」
ラハブは命の危険を冒してまで斥候をかくまいました。これは同胞を裏切る行為でしたが、彼女は主(ヤハウェ)がカナンの地をイスラエルの民に与えようとしておられると信じ、彼らと運命をともにする道を選んだのです。
彼女の信仰告白の内容を見てみましょう。(1)彼女は、主(ヤハウェ)という「神の契約の御名」を知っており、それを4回も使っています。(2)彼女は、主(ヤハウェ)がイスラエルの民に葦の海(紅海)を渡らせたこと、また、ヨルダン川の東側でエモリ人の2人の王、シホンとオグを聖絶したことに言及しています。これらは、40年の荒野の放浪生活における最初と最後の出来事でした。つまり、彼女もカナン人たちも、40年間に起こった他の出来事についてもよく知っていたということです。(3)彼女は、カナン人たちが恐れおののいていると証言しています。(4)彼女は、主(ヤハウェ)がイスラエル人の神であるばかりでなく、天と地における唯一の神であることを告白しています。
彼女は、このまま行けば、自分も自分の家族も滅ぼされてしまうことを知っていました。そこで、2人の斥候に懇願しています。「私があなたがたに真実を尽くしたように、あなたがたもまた私の父の家に真実を尽くすと、今、主(ヤハウェ)にかけて私に誓ってください。そして、私に確かな証拠を下さい」
(1)「真実」と訳された言葉は、ヘブル語の「ヘセッド」です。この言葉は本来、神と人との「契約的誠実」を意味しています。つまりラハブは、2人の斥候に契約を結ぶことを提案しているのです。(2)契約の内容は、自分の家族の命を救ってほしいということです。(3)彼女は2人の斥候から確かな証拠を求めました。(4)それに対して2人の斥候はこう答えています。自分たちも、彼女に真実を尽くそう。そのための条件は、自分たちがエリコの町を偵察に来たことを決して口外しないことである。
あなたは、ラハブの信仰から何を学びますか。歴史を見る目、主(ヤハウェ)の偉大さと契約の永遠性の理解、そして、熱心に祝福を求める姿勢。これらの資質を、私たちも求めようではありませんか。
きょうの祈り
創造主よ。あなたの御翼の陰に、きょうも宿らせてください。あなたが私たちに示された真実に、私たちも真実をもって応答できますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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