4 昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望を持たせるためなのです。
15:4〜13は、ロマ書全体の議論のまとめとなっています。キーワードは、「希望」です。きょうは、その中の4節だけを見てみましょう。その内容は、「聖書は希望を与えてくれる」というものです。絶望的な状況など、存在しません。ただ人が、「これは絶望的な状況だ」と感じてしまうだけです。目先のものにとらわれると、ものごとの全体像が見えなくなります。それゆえ、神のことばである聖書を熱心に学ぶ必要があります。まさに、「日本の霊的覚醒(目覚め)は、聖書研究から」なのです。
「昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望を持たせるためなのです」(新改訳)。新共同訳では、「かつて書かれた事柄は、すべてわたしたちを教え導くためのものです。それでわたしたちは、聖書から忍耐と慰めを学んで希望を持ち続けることができるのです」と訳されています。(1)この節に啓示されている真理は、2000年前も今も、変わりません。かつて書かれたことは、私たちを導くためのものです。私たちは、聖書から忍耐と慰めを学ぶのです。つまり、過去の聖徒たちが忍耐を通して祝福を得たことを学び、そこから慰めを得るということです(1コリ10:11、ロマ4:23〜24参照)。(2)希望は、自分で努力して作るものではありません。神は、聖書を通して私たちにお語りになります。その語りかけの中から、私たちは希望を見いだしていくのです。
聖書研究がもたらす3つの恵みについて考えてみましょう。(1)聖書研究によって、過去の聖徒たちの忍耐を学ぶことができます。(2)また、現在の生活において慰めを受けることができます。(3)さらに、未来に良きものが待っているとの希望を持つことができます。聖書を通して与えられる希望こそ、困難な時代を生きるための力です。思えば、パウロはなんと困難な伝道生涯を送ったことでしょうか。外にはローマ帝国やユダヤ教指導部からの圧力があり、内にはユダヤ人信者と異邦人信者の葛藤から来る悩みがありました。しかしパウロは、将来もっと素晴らしいことが実現するという希望を持っていました。その希望が彼を支えたのです。今も神は聖書を通して私たちに語りかけ、私たちに希望を与えてくださいます。今がいかに困難な時であっても、やがて素晴らしいことが成就します。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。将来に対する希望を与えてくださり、感謝します。その希望によってきょうを生きることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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