19〜21節

イスラエルの救いを論じてきたパウロは、異邦人に警告を与えます。きょうは、2回目の学びです。「枝が折られたのは、私がつぎ合わされるためだ、とあなたは言うでしょう。そのとおりです。彼らは不信仰によって折られ、あなたは信仰によって立っています。高ぶらないで、かえって恐れなさい。もし神が台木の枝を惜しまれなかったとすれば、あなたをも惜しまれないでしょう」。（1）ある人たちは、この聖句を根拠に、「一度救われても、その救いを失う可能性はある」と教えます。「彼らは不信仰によって折られ」とあるではないか、と言うのです。（2）しかし、それは誤った教えです。恵みによって救われた者が、その救いを失うことはありません（もちろん、何をしてもいいということではありません）。（3）この聖句が教えているのは、「イスラエル人と異邦人の対比」であって、「個人の救い」ではありません。「不信仰によって折られ」というのは、「霊的祝福の源」から切り離されるという意味です。不信仰に留まり続けるなら、神の矯正きょうせい的裁さばきが来ます。また、その人の霊は、頑かたくなな状態に放置されます。

22〜24節

「見てごらんなさい。神のいつくしみときびしさを。倒れた者の上にあるのは、きびしさです。あなたの上にあるのは、神のいつくしみです。ただし、あなたがそのいつくしみの中にとどまっていればであって、そうでなければ、あなたも切り落とされるのです」。神の性質を考えるとき、いつくしみときびしさのバランスを取る必要があります。いつくしみを強調すると、普遍的救いに流れ、きびしさを強調すると、喜びのないクリスチャン生活になります。
「彼らであっても、もし不信仰を続けなければ、つぎ合わされるのです。神は、彼らを再びつぎ合わすことができるのです。…これらの栽培種のものは、もっとたやすく自分の台木につがれるはずです」。（1）これもまた、大から小の議論です。① 大は、異邦人の接ぎ木です。② 小は、イスラエル人の接ぎ木です。（2）「自分の台木」とは、神がイスラエルと結んだ4つの無条件契約のことです。アブラハム契約、土地の契約、ダビデ契約、新しい契約がそれです。（3）彼らを押しとどめているのは、不信仰だけです。不信仰が取り除かれるなら、イスラエル人は容易に救われます。（4）異邦人信者は、イスラエルの上にある「きびしさ」を見て、信仰に留まることの重要性を学ぶ必要があります。