16 私は福音を恥とは思いません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です。
17 なぜなら、福音のうちには神の義が啓示されていて、その義は、信仰に始まり信仰に進ませるからです。「義人は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。
これまでにローマ1:1 〜 17の学びを終えました(ロマ書の序言に当たる部分です)。先に進む前に、ロマ書の序言の中で啓示されてきた「福音」について、その内容を再確認したいと思います。パウロが宣べ伝えた福音の7つの特徴を上げてみます。今回は、最初の2 つです。
「福音の制作者は神である」。これが第1の特徴です。(1)新約聖書には「神の福音」という言葉が8回出てきますが、そのうちの2回はロマ書に出てきます(1:1、15:16)。その言葉は、福音の作者が神であることを教えています。(2)神はその福音を天地創造の前から計画しておられました。パウロはこう書いています。「すなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前から彼にあって選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました」(エペ1:4)。(3)もし福音が神の作品であるなら(そして、そのとおりですが)、私たちは福音の内容をそのまま信じてもよいということになります。それがパウロの確信の根底にあったものです。(4)神はその福音を天使にではなく、人に委ねなさいました。ここに、私たちの感動と感謝があります。パウロの自己認識は、「自分は、神の福音のために選び分けられた器である」というものでした。パウロは、「神の代理人」としての資格の下に宣教活動を展開しました。代理人であるなら、遣わした者の言葉を一語も曲げたり、省いたりしてはなりません。
私たちはどうでしょうか。福音が神の作品であることを確信し、それをそのまま信じ、伝えているでしょうか。
「福音には神の力が内蔵されている」。これが第2の特徴です。(1)その力とは、罪人に救いをもたらす力です。(2)パウロの頭の中には、イザヤ55:11があったに違いありません。「そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる」。究極的な「神のことば」は、イエス・キリストです。イエス・キリストは、父なる神の計画を成し遂げ、それを成功させました。それゆえ、福音には神の力が内在しているのです。
パウロは福音には神の力が宿っていることを確信していました。私たちはどうでしょうか。余計なものを付けなくても、福音そのものに力があることを体験的に学ぼうではありませんか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。あなたの作品である福音には、あなたの力が宿っていることを信じます。その事実を体験的に知ることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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