15 盗んではならない。
「盗んではならない」。第8 戒は、私有財産の尊厳を教えたものである。(1)神は、私たちのいのちだけでなく、私たちが所有している物まで評価し、認めておられる。(2)他人のものを盗むことは、自分には自分の思い通りに生きる権利があると宣言しているのと同じことである。(3)他者の所有物に敬意を表することは、健全な社会を構築するための基礎となる要素である。第8 戒は第10 戒と深く関係している。
新約聖書でも、この罪は禁止されている。エペソ4:28 には、こうある。「盗みをしている者は、もう盗んではいけません。かえって、困っている人に施しをするため、自分の手をもって正しい仕事をし、ほねおって働きなさい」
第8 戒は、私たち人間に、いくつかの重要な義務を教えている。(1)第8 戒は、私たちに労働の義務と神性さを教えている。他人の所有物を盗んではならないということは、勤勉な人生を歩めということと同じである。(2)第8 戒は、私たちに自立することの重要性を教えている。自らの糧は自らの手で得るというのが聖書の教えである。自立不可能な状況にある人には、愛の手を差し伸べる必要があるが、愛の実践も自立していなければ行うことができない。(3)第8 戒は、私たちに職業倫理の重要性を教えている。私たちは、正直な方法で富を獲得することを学ぶのである。(4)第8 戒は、私たちに浪費の危険性を教えている。自立した生活を送るためには、浪費癖を自制し、計画的に生活する必要がある。
私有財産の制度は、神の命令によって認定され、守られている。それゆえ、富を用いる際には、それが神に喜ばれるものであるかどうかを吟味する必要がある。金銭の用い方に、その人の信仰が反映されるのである。
きょうの祈り
天の父なる神さま。自分のものでないものを欲しがることは、すべての罪の根源です。自分に与えられたもので満足する心を私にお与えください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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