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出エジプト記2:5 ~ 9

5 パロの娘が水浴びをしようとナイルに降りて来た。彼女の侍女じじょたちはナイルの川辺を歩いていた。彼女は葦の茂みにかごがあるのを見、はしためをやって、それを取って来させた。

6 それをあけると、子どもがいた。なんと、それは男の子で、泣いていた。彼女はその子をあわれに思い、「これはきっとヘブル人の子どもです」と言った。

7 そのとき、その子の姉がパロの娘に言った。「あなたに代わって、その子に乳を飲ませるため、私が行って、ヘブル女のうばを呼んでまいりましょうか。」

8 パロの娘が「そうしておくれ」と言ったので、おとめは行って、その子の母を呼んで来た。

9 パロの娘は彼女に言った。「この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてください。私があなたの賃金を払いましょう。」それで、その女はその子を引き取って、乳を飲ませた。

神の摂理の御手

パロの娘の登場

イスラエル人をカナンの地に連れ帰るというのが、神の計画であり、約束であった。この箇所から、神の摂理の御手が動き出す。
「パロの娘が水浴びをしようとナイルに降りて来た。彼女の侍女たちはナイルの川辺を歩いていた。彼女は葦の茂みにかごがあるのを見、はしためをやって、それを取って来させた」。(1)当時のエジプト人にとっては、ナイル川は女神と考えられていた(インド人にとってのガンジス川と同じである)。ナイルは、命といやしを与える川である。パロの娘は、朝の祈りの時間を終えようとして、ナイルの水に降りて来たのであろう。(2)「彼女は葦の茂みにかごがあるのを見、はしためをやって、それを取って来させた」とある。彼女の観点からすると、ナイルに抱かれた赤子を見つけたのは、ただごとではないのである。(3)かご(箱舟)のふたを取ると、中に男の子がいた。彼女は、泣いている赤子を不憫ふびんに思い、「これはきっとヘブル人の子どもです」と言った。ヘブル人とエジプト人は割礼の方法が異なっていたので、その赤子がヘブル人の子であることはすぐに分かったはずである。(4)かご(箱舟)を見つけた王女は、トゥトモス1 世の娘ハトシェプストである。彼女は後に、甥のトゥトモス3 世とともにエジプトを共同統治することになる非常に有能な女性である。

ミリアムの機転

「そのとき、その子の姉がパロの娘に言った。『あなたに代わって、その子に乳を飲ませるため、私が行って、ヘブル女のうばを呼んでまいりましょうか』」。(1)隠れた所から見ていたミリアムが登場し、パロの娘にヘブル人の乳母を呼んで来ようかと提案した。するとパロの娘はすぐに、「そうしておくれ」と応じた。(2)パロの娘の依頼により、母ヨケベデは、賃金をもらってモーセを育てることになった。何という奇跡であろうか。(3)パロの娘は決してあざむかれたのではない。彼女は、この乳母が実母であることを知っていて、そうしたのである。この2 人の女性の間には、暗黙の了解があった。
モーセの誕生にまつわる物語は、女性たちが主役となって進んで行った。パロの命令に従わなかった助産婦たち、モーセの母、パロの娘、モーセの姉(出2:1 ~ 10 に登場する女性たちは、全員無名である)。モーセの姉ミリアムの行動力から教訓を学ぼう。日々の生活の中で、予期せぬ機会が与えられることがある。恐れるのではなく、信仰によってその機会をかそうではないか。

きょうの祈り

全知全能の神よ。あなたの摂理の御手を見るのは何と幸いなことでしょうか。どうか私の人生をもお導きください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

出エジブト記 1~2、ヨハネの福音書 2