30 そして、賛美の歌を歌ってから、みなオリーブ山へ出かけて行った。
31 そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはみな、今夜、わたしのゆえにつまずきます。『わたしが羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散り散りになる』と書いてあるからです。
32 しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先に、ガリラヤへ行きます。」
33 すると、ペテロがイエスに答えて言った。「たとい全部の者があなたのゆえにつまずいても、私は決してつまずきません。」
34 イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに告げます。今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度、わたしを知らないと言います。」
35 ペテロは言った。「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません。」弟子たちはみなそう言った。
過越の食事の最後に飲むのが、第四の杯(賛美の杯)である。この時、ユダヤ人たちには6 つの詩篇を賛美する習慣がある。詩篇113 ~118 篇の「ハレルヤ」詩篇がそれである。30 節には「そして、賛美の歌を歌ってから、みなオリーブ山へ出かけて行った」とある。これは、第四の杯を飲み、詩篇113 ~118 篇を歌って過越の食事を終えたということである。その後彼らは、部屋を出てオリーブ山に向かった。実際は、オリーブ山の麓にあるゲツセマネの園という場所に向かったのである。その部屋からゲツセマネの園までは、徒歩で15 分前後の距離である。
この時イエスは、驚くべき預言をされた。(1)ゼカリヤ13:7 の預言のように、羊飼いであるイエスが打たれ、羊の群れである弟子たちは、散り散りになる。この預言は、その夜、文字どおり成就する。(2)「しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先に、ガリラヤへ行きます」。イエスのこの約束は、全く無視された。イエスが復活した後も、弟子たちがこのことばに従った形跡はどこにもない。(3)弟子たちがつまずくという預言を聞いて、ペテロは自信満々にこう言った。「たとい全部の者があなたのゆえにつまずいても、私は決してつまずきません」。彼は非常に熱心ではあったが、自分が霊的な戦いに巻き込まれていることには気づいていなかった。つまり彼には、サタンの試みに対する備えがなかったということである。(4)イエスはペテロの弱さをすべて知っていて、こう言われた。「まことに、あなたに告げます。今夜、鶏が鳴く前に、あなたは三度、わたしを知らないと言います」。(5)それを聞いたペテロは、むきになってこう返事した。「たとい、ごいっしょに死ななければならないとしても、私は、あなたを知らないなどとは決して申しません」。そう豪語したのは、ペテロだけではなかった。他の弟子たちもみな、そう言ったのである。
イエスの先回りの愛に注目しよう。イエスは、ペテロがつまずくことを知っていて、先回りの愛を示してくださったのである。イエスの復活後に福音を全世界に伝えた弟子たちは、私たちと同じような弱さを持った人たちであった。彼らは、イエスの愛によって赦され、支えられ、忠実な弟子と変えられていった。イエスの愛は、今は私たちの上にも注がれている。主イエスに立ち返り、その愛に依り頼もう。私たちも、忠実な弟子としていただこうではないか。
きょうの祈り
天の父なる神さま。私もまたペテロのようにつまずき倒れる人間です。主イエスのあわれみがなければ、あなたの前に立つことはできません。どうか今、私を恵みによって扱ってください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
歴代誌 第二27~28、詩篇147 ~ 148
ハーベスト・タイムによる無料の聖書講解動画(音声)サイト。
最新のメッセージ
毎朝6時にきょうの【クレイ】が
あなたのLINEに届きます!
» 登録はこちら