子どもたちをつまずかせる罪

この箇所は、神を信じている子どもたちをつまずかせるのは大きな罪であることを教えている。つまずきの原因には、さまざまなものがあり得るが、文脈から判断すると、特権意識やプライドが問題となっている。マルコ9：38 ～50 の並行記事を見ると、弟子たちは、イエスの名によって悪霊を追い出している者たちを、「自分たちの仲間ではない」という理由で責めている。12 使徒は、特権意識を抱いていたのである。プライドは人を傲慢ごうまんにするばかりか、弱い人たちにつまずきを与える原因となる。
（1）イエスを信じる子どもたちにつまずきを与えることは、大きな罪である。イエスは非常に厳しいことばを語っている。そのような者は、大きい石臼を首にかけられて、ガリラヤ湖で溺死できししたほうがましだというのである。（2）この世においては、つまずきは避けがたいが、だからと言って、つまずきが正当化されるわけではない。神を知らない人たちの基準と、神を信じる者たちの基準とは、大いに異なる。（3）手、足、目などを取り除くとは、文字通りにそのようにせよということではない。問題の源みなもとを発見し、断固とした態度でそれを取り除けということである。（4）「永遠の火に投げ入れられる」、「燃えるゲヘナに投げ入れられる」などは、未信者に対することばである。（5）イエスを信じた人が子どもたちにつまずきを与えるなら、その人は、地上生涯において神からの訓練を受ける。それでも直らないなら、来るべき世では受けるべき祝福が取り去られる。

小さい者たちを愛する神

神は、子どもたちを愛しておられる。それゆえ、イエスを信じる者は、子どもたちへの配慮を忘れてはならない。（1）子どもたちには、守護天使がついている。神は、彼らのことについて、いつも天使から報告を受けている（ヘブ1：14 参照）。それほどに、神は子どもたちのことを心に留めておられる。（2）彼らに対する神の愛は、いなくなった1 匹の羊を捜しに行く羊飼いの愛のようである。14 節は神の心をよく表している。「このように、この小さい者たちのひとりが滅びることは、天にいますあなたがたの父のみこころではありません」
神は、私たちのことを、かけがえのない存在として見ておられる。クリスチャンの交わりとは、お互いが神の目には大切な存在であることを認め合った上での交わりである。目の前にいる兄弟の内に、キリストの姿を見る人は幸いである。