15 ヨセフの兄弟たちが、彼らの父が死んだのを見たとき、彼らは、「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが彼に犯したすべての悪の仕返しをするかもしれない」と言った。
16 そこで彼らはことづけしてヨセフに言った。「あなたの父は死ぬ前に命じて言われました。
17 『 ヨセフにこう言いなさい。あなたの兄弟たちは実に、あなたに悪いことをしたが、どうか、あなたの兄弟たちのそむきと彼らの罪を赦してやりなさい、と。』今、どうか、あなたの父の神のしもべたちのそむきを赦してください。」ヨセフは彼らのこのことばを聞いて泣いた。
18 彼の兄弟たちも来て、彼の前にひれ伏して言った。「私たちはあなたの奴隷です。」
19 ヨセフは彼らに言った。「恐れることはありません。どうして、私が神の代わりでしょうか。
20 あなたがたは、私に悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなさいました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。
21 ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。」こうして彼は彼らを慰め、優しく語りかけた。
父ヤコブが死ぬと、兄弟たちは再びヨセフを恐れるようになった。父の守りがなくなったので、ヨセフが仕返しをするのではないかと恐れたのである。兄たちの態度を見ていると、彼らが本当の意味でまだヨセフと和解していなかったことが分かる。真の赦しを体験していなければ、何年たっても罪から来る恐れは簡単に消えるものではない。
彼らはヨセフに、父が死ぬ前に語ったという言葉を伝えた。「あなたの父は死ぬ前に命じて言われました。『ヨセフにこう言いなさい。あなたの兄弟たちは実に、あなたに悪いことをしたが、どうか、あなたの兄弟たちのそむきと彼らの罪を赦してやりなさい、と。』今、どうか、あなたの父の神のしもべたちのそむきを赦してください」。もちろんこれは、作り話である。もし本当なら、ヤコブは直接ヨセフにこの言葉を語っていたはずである。
兄たちの言葉を聞いて、ヨセフは泣いた。自分の心が彼らに十分に理解されていなかったからである。兄たちはヨセフの前にひれ伏して、「私たちはあなたの奴隷です」と言った。つまり、命が助かるなら奴隷になってもいいというのである。ヨセフは再度、次のことを兄たちに語った。①「あなたがたは、私に悪を計った」。②「しかし神は、それを良いことに変えられた」。③「その結果、多くの人のいのちが助かった」。その「多くの人」の中には、ヤコブの家族も、エジプト人も、そしてエジプトに食物を買い出しに来たカナン人たちも含まれている。兄たちを安心させるために、ヨセフは彼らに優しく語りかけた。
ヨセフは、イエス・キリストの型である。主イエスは、私たちに優しく語りかけておられる。「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」(マタ11:28)。「安心感」がないと、人は問題行動を起こすようになる。ヨセフの兄弟たちがそうである。強迫観念を抱いていると、心にストレスを溜めるようになる。また、忠告に対して過剰に反応するようになる。私たちはどうだろうか。まだ罪から来る不安を抱えているだろうか。私のために十字架にかかってくださったお方が、優しく語りかけておられる。主イエスを信じ、平安をいただこう。「安心感」を持つことこそ、祝された人生の秘訣である。
きょうの祈り
天の父なる神さま。どうか私の心に平安をお与えください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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イザヤ書56~57、コリント人への手紙 第一5
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