1 これらのことの後、ヨセフに「あなたの父上は病気です」と告げる者があったので、彼はそのふたりの子、マナセとエフライムを連れて行った。
2 ある人がヤコブに告げて、「あなたの子ヨセフがあなたのもとにおいでです」と言ったので、イスラエルは力をふりしぼって床にすわった。
3 ヤコブはヨセフに言った。「全能の神がカナンの地ルズで私に現れ、私を祝福して、
4 私に仰せられた。『わたしはあなたに多くの子を与えよう。あなたをふやし、あなたを多くの民のつどいとし、またこの地をあなたの後の子孫に与え、永久の所有としよう。』
5 今、私がエジプトに来る前に、エジプトの地で生まれたあなたのふたりの子は、私の子となる。エフライムとマナセはルベンやシメオンと同じように私の子にする。
6 しかしあとからあなたに生まれる子どもたちはあなたのものになる。しかし、彼らが家を継ぐ場合、彼らは、彼らの兄たちの名を名のらなければならない。
7 私のことを言えば、私がパダンから帰って来たとき、その途上カナンの地で、悲しいことに、ラケルが死んだ。そこからエフラテに行くには、なお道のりがあったが、私はエフラテ、すなわちベツレヘムへの道のその場所に彼女を葬った。」
ヤコブの一家がエジプトに移住してから17 年が経過し、ヤコブの死期が近づいて来た。死を目前に控えて、ヤコブは息子たちの将来について預言する。彼は、息子たちがエジプトで一大民族となること、さらに、彼らから12 部族が生まれることを知っていた。彼は、48 章でヨセフの将来を、49 章で12 部族全体の将来を預言する。
ヨセフは、2 人の子(マナセとエフライム)をヤコブの臨終の床に連れて行った(年齢は18 ~20 歳)。彼らは、ききんが来る前にエジプトで生まれていた(41:50)。若者を信仰者の臨終の場に立ち合わせることは、霊的に非常に有益である。イスラエル(ヤコブ)は、力を振り絞って2 人の孫と対面した。彼らに霊的教訓を与えるためである。
(1)ヤコブは、アブラハム契約の確認から始めている(4 節)。神はベテルでヤコブに現れ、祝福の約束、子孫の約束、土地の約束を与えた。(2)次に、ヨセフの2 人の息子を養子に迎えると宣言した。「エフライムとマナセは、ルベンやシメオンと同じように私の子にする」。弟のエフライムが兄のマナセよりも前になっている。ルベンはヤコブの長男、シメオンは次男であるが、エフライムとマナセは、ルベンとシメオンが持っていた地位に就くと約束された。この養子縁組によって、ルベンが持っていた長子の権利は、ヨセフに譲り渡された。その結果、ヨセフから2 つの部族(エフライムとマナセ)が誕生することになる。(3)愛妻ラケルの死は、あまりにも早すぎた死であったが、結果的にはラケルから3 つの部族が誕生することになった。エフライム、マナセ、そしてベニヤミン。1 歴代誌5:1~2 にはこうある。「イスラエルの長子ルベンの子孫――彼は長子であったが、父の寝床を汚したことにより、その長子の権利はイスラエルの子ヨセフの子に与えられた。系図の記載は長子の権利に従って行うものではない。ユダは彼の兄弟たちにまさる者となり、君たる者も彼から出るのであるが、長子の権利はヨセフに帰したからである――」。(4)ヤコブは、この養子縁組を通して孫たちに、彼らがエジプトの権力と栄華を相続するのではないことを教えた。彼らは、それがどんなに苦しくても、神の民と共に歩む道を選ぶように召されたのである。これが霊的教訓であり、信仰の継承である。私たちは、子どもたちに何を残そうとしているだろうか。臨終の床で、天国への希望を語れる人は幸いである。
きょうの祈り
アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。どうか子孫に信仰という遺産を用意することができますように、私を助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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