1 ヤコブはエジプトに穀物があることを知って、息子たちに言った。「あなたがたは、なぜ互いに顔を見合っているのか。」
2 そして言った。「今、私はエジプトに穀物があるということを聞いた。あなたがたは、そこへ下って行き、そこから私たちのために穀物を買って来なさい。そうすれば、私たちは生きながらえ、死なないだろう。」
3 そこで、ヨセフの十人の兄弟はエジプトで穀物を買うために、下って行った。
4 しかし、ヤコブはヨセフの弟ベニヤミンを兄弟たちといっしょにやらなかった。わざわいが彼にふりかかるといけないと思ったからである。
5 こうして、イスラエルの息子たちは、穀物を買いに行く人々に交じって出かけた。カナンの地にききんがあったからである。
創世記42 章の解説を始める前に、この時点でのヨセフの心理について考えてみよう。(1)ヨセフは、神の御心を知っていた。7 年のききんは2 年目に入っていた。やがて兄たちもカナンの地からエジプトに買い出しにやって来る。そして彼らは、ヨセフを伏し拝むようになる。(2)ヨセフは、自分がヤコブ一家のエジプト移住のための架け橋となることを理解していた。(3)ヨセフは、兄たちとの和解を願っていた。一連の事件は、神の許可のもとに起こった悲劇である。しかし、和解の前に、兄たちが罪を悔いているかどうか、テストする必要がある。結果的に、このテストは2 段階で行われることになる。
カナンの地でもききんがひどくなった。ついにヤコブは、穀物を買うために息子たちをエジプトに送る決心をした。「・・・今、私はエジプトに穀物があるということを聞いた。あなたがたは、そこへ下って行き、そこから私たちのために穀物を買って来なさい。そうすれば、私たちは生きながらえ、死なないだろう」。試練の時には、自分から何か行動を起こす必要がある。ヤコブは、ベニヤミンを除いた10 人の息子たちをエジプトに送った。(1)愛妻ラケルが産んだ子は2 人いたが、兄のヨセフはいなくなり、ベニヤミンだけが残されていた。(2)ヤコブは、ヨセフが死んだことについて、兄たちが手を下したのでないかと疑っていた。それで、ベニヤミンにも同じことが起こることを恐れ、彼をエジプトまで同行させることを拒んだのである。
族長たち(アブラハム、イサク、ヤコブ)は全員、「約束の地」に住みながら、ききんを経験した。ききんの目的は、・彼らの信仰を試すためであり、・彼らにより良い故郷を求めさせるためである。ヘブル11:14 ~16 には、このように書かれている。「・・・しかし、事実、彼らは、さらにすぐれた故郷、すなわち天の故郷にあこがれていたのです。それゆえ、神は彼らの神と呼ばれることを恥となさいませんでした。事実、神は彼らのために都を用意しておられました」。私たちクリスチャンは、霊的な「約束の地」に住んでいる。しかし、そこにも「ききん」が襲って来る。「ききん」は、私たちの信仰を試し、私たちに天の故郷を求めさせる機会となる。
きょうの祈り
天の父なる神さま。約束の地でのききんを歓迎します。それによって、私は見るべきものを見ることができるようになります。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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列王記第一19~20、使徒の働き19
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