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創世記41:37~46

37 このことは、パロとすべての家臣たちの心にかなった。

38 そこでパロは家臣たちに言った。「神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか。」

39 パロはヨセフに言った。「神がこれらすべてのことをあなたに知らされたのであれば、あなたのように、さとくて知恵のある者はほかにいない。

40 あなたは私の家を治めてくれ。私の民はみな、あなたの命令に従おう。私があなたにまさっているのは王位だけだ。」

41 パロはなおヨセフに言った。「さあ、私はあなたにエジプト全土を支配させよう。」

42 そこで、パロは自分の指輪を手からはずして、それをヨセフの手にはめ、亜麻布の衣服を着せ、その首に金の首飾りを掛けた。

43 そして、自分の第二の車に彼を乗せた。そこで人々は彼の前で「ひざまずけ」と叫んだ。こうして彼にエジプト全土を支配させた。

44 パロはヨセフに言った。「私はパロだ。しかし、あなたの許しなくしては、エジプト中で、だれも手足を上げることもできない。」

45 パロはヨセフにツァフェナテ・パネアハという名を与え、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを彼の妻にした。こうしてヨセフはエジプトの地に知れ渡った。

46 ──ヨセフがエジプトの王パロに仕えるようになったときは三十歳であった──ヨセフはパロの前を去ってエジプト全土を巡り歩いた。

宰相となるヨセフ

ヨセフの登用

ヨセフの提案に、パロとすべての家臣が同意した。「神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか」「神の霊」は、ヘブル語で「ルアハ・エロヒム」なので、「神々の霊」と訳したほうがよい。偶像礼拝者のパロが、イスラエルの神をほめたたえているわけではない(ダニ4:8 参照。ダニエルも同じ名で呼ばれている)。パロは、夢の解き明かしだけでなく、ヨセフが提案したプランにも驚嘆きょうたんした。(1)経済的な責任を負う宰相を任命するように。(2)さらに、その下で働く監督官を国中に任命するように。(3)それらの監督官たちに豊作の7 年間に食糧を集めさせるように(作物の5 分の1 が税として徴収された)。(4)その食糧を、パロの権威のもとに、町々に保管させるように。(5)これらの計画を実行する目的は、エジプトがききんで滅びないためである。
パロは当然のことのように、ヨセフを宰相に任命した。指輪は、王からの権威が委ねられたことを象徴している。これによって、ヨセフに勅令ちょくれいを発する権威が認められた。亜麻布の衣服は、高級な布地で、幕屋の幕や祭司の装束しょうぞくに使用された。金の首飾りは、名誉のしるしである。第2 の車とは、パロが所有していた2 番目の戦車である。最後にパロは、ヨセフがエジプトで2 番目の地位にいたことをおおやけに宣言した。

30 歳になるヨセフ

この時ヨセフは、30 歳になっていた。エジプトに来て13 年間が経過していたのである。そして、カナンの地から食料を求めてエジプトに来る兄弟たちと再会するのは、それから9 年後のことである。(1)パロはヨセフに、ツァフェナテ・パネアハ(隠されたことを明らかにする者)という名を与えた。(2)さらにパロは、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを妻として与えた。妻を与えることは、主人が奴隷にすることである。(3)オンは太陽神礼拝の地で、後のヘリオポリスである(カイロの北約10 キロの地にある町)。
ヨセフには、名前に関しても、妻の選択に関しても、自己裁量の余地はなかった。それでも彼は、決してエジプトの文化や習慣に同化することはなかった。彼は、これまでの13 年間の歩みと神の導きを思い起こし、自分が大きな使命のために生かされていることを実感していたに違いない。自分の過去の歩みを振り返り、そこに神の導きの御手を見る人は幸いである。私たちも、自分がどのような使命に生かされているか、黙想してみよう。

きょうの祈り

イスラエルの神よ。私もまた、この世の文化の中で生きながら、それに同化することのない歩みをしたいと願います。どうかクリスチャンとしての使命に生きることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

列王記第一15~16、箴言23