31 シモン、シモン。見なさい。サタンが、あなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って聞き届けられました。
32 しかし、わたしは、あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈りました。だからあなたは、立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」
33 シモンはイエスに言った。「主よ。ごいっしょになら、牢であろうと、死であろうと、覚悟はできております。」
34 しかし、イエスは言われた。「ペテロ。あなたに言いますが、きょう鶏が鳴くまでに、あなたは三度、わたしを知らないと言います。」
35 それから、弟子たちに言われた。「わたしがあなたがたを、財布も旅行袋もくつも持たせずに旅に出したとき、何か足りない物がありましたか。」彼らは言った。「いいえ。何もありませんでした。」
36 そこで言われた。「しかし、今は、財布のある者は財布を持ち、同じく袋を持ち、剣のない者は着物を売って剣を買いなさい。
37 あなたがたに言いますが、『彼は罪人たちの中に数えられた』と書いてあるこのことが、わたしに必ず実現するのです。わたしにかかわることは実現します。」
38 彼らは言った。「主よ。このとおり、ここに剣が二振りあります。」イエスは彼らに、「それで十分」と言われた。
この箇所から、サタンの力、ペテロの罪、イエスのご性質の三点について考えてみましょう。(1)サタンは、無限の力を持っているわけではありません。サタンは、神の許しの範囲でしか人を苦しめることはできません。(2)ペテロは、イエスのためならいのちを捨てる覚悟もできていると豪語しました。ペテロの罪は、自分の弱さを認識していなかったという点にあります。(3)イエスは、ペテロがご自分を拒否する回数も、時間も、見通しておられました。これは、人間の能力をはるかに超えたことです。またイエスは、「しかし、わたしは、あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈りました。」とお語りになりました。「あなた」ということばは、単数形です。それに対して、「サタンが、あなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って聞き届けられました。」と語られたときの「あなたがた」ということばは、複数形です。サタンは、弟子たち全員を試みました。しかしイエスは、ペテロのために、個人的にとりなしの祈りをされたのです。イエスは、ことの結末をご存じでした。それでペテロに、「だからあなたは、立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」とお語りになったのです。この聖句によって、多くのクリスチャンたちが、神に立ち返る決心をしてきました。私が伝道者になる決心をしたのも、この聖句によります。あなたも、イエスにあって勝利者となれます。
イエスは、イザヤ書53:12の預言を直接ご自分にあてはめ、「『彼は罪人たちの中に数えられた。』と書いてあるこのことが、わたしに必ず実現するのです。」とお語りになりました。弟子たちにも、厳しい季節が訪れようとしていました。イエスはその厳しさを比喩的に教えるために、「剣のない者は着物を売って剣を買いなさい。」(36節)と言われました。しかし弟子たちは、それを文字どおりに受け取って、「ここに剣が二振りあります。」と答えています。「それで十分。」とは、どこまでも意味の通じない弟子たちに対して、この話はここまでというイエスの嘆きを表わしています。あなたは、イエスの語りかけを喜んで聞いていますか。あなたの不信仰が、イエスに、「それで十分。」と言わせていることはないでしょうか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神よ。ペテロの将来を見通しておられたあなたは、私の人生のすべてを見通しておられます。大祭司イエスが、私のためにとりなしの祈りをしてくださっていることを感謝します。どうか、みこころのうちを歩ませてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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