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創世記32:1~2

1 さてヤコブが旅を続けていると、神の使いたちが彼に現れた。

2 ヤコブは彼らを見たとき、「ここは神の陣営だ」と言って、その所の名をマハナイムと呼んだ。

再会の準備

文脈の確認

ヤコブの一家は、パダン・アラムを出てカナンの地に向かっている。追跡ついせきして来たラバンとの敵対関係は、契約締結によって決着がついた(ギルアデの契約で、境界線を越えないという約束ができた)。いよいよ、カナンの地が目前に迫っている。ヤコブが直面しなければならない次の問題は、兄のエサウとの再会である。(1)かつてエサウは、長子の権利を奪われたと思い込み、ヤコブを殺そうとしたことがあった。(2)それから20 年が経過したが、エサウの憎しみが消えているかどうか、ヤコブには分からない。(3)そのため、ヤコブの心に大きな恐れがあった。創世記32章は、ヤコブがその恐れにどのようにして勝利したかという記録である。

朗報

(1)ヤコブの一行は、ヨルダン川の東側の高地(ギルアデの山地)を南下していた。その途中で、神の使いたち(天使たち)がヤコブに現れた。(2)これは、創世記28:12 に記された「ベテルでの体験」に似ている。「そのうちに、彼は夢を見た。見よ。一つのはしごが地に向けて立てられている。その頂は天に届き、見よ、神の使いたちが、そのはしごを上り下りしている」。(3)この二つの体験は、約束の地を出る時と、そこに入る時に、ヤコブの上に天使たちの守りがあったことを示している。兄との対面を恐れていたヤコブにとって、大きな励ましとなる出来事であった。(4)そこでヤコブは、その地に名前を付けた。「ここは神の陣営だ」という意味で、この地は「マハナイム」と呼ばれるようになった。宿営はヘブル語で「マハネ」、その双数形が「マハナイム」である。つまり、「2 つの宿営」という意味になる。現在のエルサレム市内には、「マハネ・イエフダ」という市場があるが、これは「ユダの宿営」という意味である(民2:3、9)。(5)「2 つの宿営」とは、・パダン・アラムでヤコブが得た家族、奴隷、家畜のための宿営、・そして、天使たちのための宿営である。「マハナイム」とは、神の恵みに対するヤコブの感謝が表れた言葉である。
願わくは、私たちもマハナイムの体験をすることができるように。神が、私たちの人生の旅の出入りを見守ってくださるように。神の守りを確信する人は、大胆に目標に向けて前進することができる。「主は、あなたを、行くにも帰るにも、今よりとこしえまでも守られる」(詩121:8)。この聖句に励まされ、次の一歩をみ出そう。

きょうの祈り

アブラハム、イサク、ヤコブの神よ。ヤコブとともにおられたあなたが、きょうも私の出入りを見守ってくださることを感謝します。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

士師記17~18、ルカの福音書16