7 それから四年たって、アブシャロムは王に言った。「私が主に立てた誓願を果たすために、どうか私をヘブロンへ行かせてください。
8 このしもべは、アラムのゲシュルにいたときに、『もし主が、私をほんとうにエルサレムに連れ帰ってくださるなら、私は主に仕えます。』と言って誓願を立てたのです。」
9 王が、「元気で行って来なさい。」と言ったので、彼は立って、ヘブロンへ行った。
10 そのとき、アブシャロムはイスラエルの全部族に、ひそかに使いを送って言った。「角笛の鳴るのを聞いたら、『アブシャロムがヘブロンで王になった。』と言いなさい。」
11 アブシャロムは二百人の人々を連れてエルサレムを出て行った。その人たちはただ単に、招かれて行った者たちで、何も知らなかった。
12 アブシャロムは、いけにえをささげている間に、人をやって、ダビデの議官をしているギロ人アヒトフェルを、彼の町ギロから呼び寄せた。この謀反は根強く、アブシャロムにくみする民が多くなった。
アブシャロムは4年かけて謀反の準備をした後、主への誓願を果たすという理由で、父ダビデからヘブロン行きの許可を取り付けます。しかし、真の目的はその地で王として即位することにありました。彼がヘブロンを選んだことの背後には、三つの理由がありました。(1)そこは彼が誕生した地です。(2)父ダビデはヘブロンで王となり、そこから統一王国の王となるための歩みを開始しました。彼は父ダビデの足跡を辿ろうとしたのでしょう。(3)ヘブロンはユダ部族の中心都市です。もし内戦になれば、ダビデの側について戦う兵士は主にヘブロンから集まって来るはずです。アブシャロムは自らヘブロンに乗り込むことによって、その地の住民を自らの支配下に置こうとしたのです。
このときアブシャロムは、イスラエルの全部族に密使を派遣して、自らの謀反に参加するようにと呼びかけています。周到な準備によって、国中に謀反に加担する反逆者たちが用意されていたことがわかります。
(1)ダビデがいかに簡単に騙されているかに注目しましょう。子どもを溺愛する善良な親は、いとも簡単に子どものことばを信じてしまいます。特に、宗教が口実となる場合にその傾向があります。ダビデはアブシャロムに、「元気で行ってきなさい」と声をかけています。ダビデには何の疑いもありません。しかしこのことばが、ダビデがアブシャロムに語りかけた最後のことばになりました。(2)さらに、招かれてヘブロンまで同行したエルサレム在住の200人を見てみましょう。彼らはダビデの重臣たちでした。彼らは、アブシャロムの敬虔な行為を評価して、招きに応じたのです。アブシャロムにとっては、そのうちの何人かでも自分の側に付いてくれるなら、大儲けという思いがあったことでしょう。ダビデの議官(アドバイザー)ギロ人アヒトフェルは、すでにこの謀反に加担していました。
主イエスのことばを思い出しましょう。「ですから、蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい」(マタイ10:16)。鳩のようにすなおなだけでは不十分です。悪に対しては蛇のようにさとく振る舞うことができるように、霊的洞察力を求めましょう。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。どうか蛇のようにさとく、鳩のようにすなおな人物となれますように、私を助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
エレミヤ書8~9、コリント人への手紙 第一12
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