30 彼らがまだ道の途中にいたとき、ダビデのところに次のような知らせが着いた。「アブシャロムは王の子たちを全部殺しました。残された方はひとりもありません。」
31 そこで王は立ち上がり、着物を裂き、地に伏した。かたわらに立っていた家来たちもみな、着物を裂いた。
32 しかしダビデの兄弟シムアの子ヨナダブは、証言をして言った。「王さま。彼らが王の子である若者たちを全部殺したとお思いなさいませんように。アムノンだけが死んだのです。それはアブシャロムの命令によるので、アムノンが妹のタマルをはずかしめた日から、胸に持っていたことです。
33 今、王さま。王子たち全部が殺された、という知らせを心に留めないでください。アムノンだけが死んだのです。」
34 一方、アブシャロムは逃げた。見張りの若者が目を上げて見ると、見よ、彼のうしろの山沿いの道から大ぜいの人々がやって来るところであった。
35 ヨナダブは王に言った。「ご覧ください。王子たちが来られます。このしもべが申し上げたとおりになりました。」
36 彼が語り終えたとき、そこに王子たちが来て、声をあげて泣いた。王もその家来たちもみな、非常に激しく泣いた。
37 アブシャロムは、ゲシュルの王アミフデの子タルマイのところに逃げた。ダビデは、いつまでもアムノンの死を嘆き悲しんでいた。
38 アブシャロムは、ゲシュルに逃げて行き、三年の間そこにいた。
39 ダビデ王はアブシャロムに会いに出ることはやめた。アムノンが死んだので、アムノンのために悔やんでいたからである。
王子たちがまだ道の途中にいるのに、うわさだけが先にダビデの耳に届きます。うわさというものは、なんと素早く飛び交うことでしょうか。ダビデは、王子たち全員が殺されたと聞いて、悲嘆のどん底に落とされます。しかし、正確な情報を握っていた者がひとりいました。それが、ダビデの兄弟シムアの子ヨナダブです。ダビデにとっては甥に当たります。(1)彼はアムノンにとっては悪友でした。タマルを強姦する方法をアムノンに教授したのは、彼でした(5~6節参照)。(2)彼は、アブシャロムがアムノン殺害の思いを長く心に秘めていたのを知っていたようです。それで、死んだのはタマルを犯したアムノンだけであると、得意げにダビデに報告しています。(3)ヨナダブは、タマル強姦に関してはアムノンと同じ責任を負うべきです。また、アムノン殺害に関してはアブシャロムと同じ罪に問われるべきです。
箴言にはこのように書かれています。「知恵のある者とともに歩む者は知恵を得る。愚かな者の友となる者は害を受ける」(13:20)。あなたの交友関係は、主に喜ばれるものとなっていますか。ヨナダブのような友人がいるなら、主にあってその関係を切ることができるように祈りましょう。
アブシャロムは、母方の祖父(ゲシュルの王アミフデの子タルマイ)のもとに逃げ、そこに3年間身を寄せます。その後彼はイスラエルに帰還しますが、ダビデと再会するのはさらにその2年後です。(1)不思議なことですが、ダビデはアブシャロムに特別な愛情を感じていたようです。このことは、後になってアブシャロムがダビデに反乱を起こしたときにも変わっていません。(2)ダビデはアブシャロムに会いたいと思ったようですが、その前に法的な正義を確立しておく必要があることを感じていたのでしょう。結局は、アブシャロムに会いに行くことは止めています。(3)注目すべきは、息子に対して甘いダビデの態度です。タマルが強姦されたときもそうでしたが、今回も、アブシャロムに対して何の対応もしていません。これが、後になって問題を作るのです。
子どもにどのように接すべきかについて、主からの知恵を求めましょう。
きょうの祈り
天の父よ。交友関係を立て上げるための知恵を、どうか私に注いでください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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イザヤ書60~61、コリント人への手紙 第一7
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