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サムエル記第二13:20 ~ 22

20 彼女の兄アブシャロムは彼女に言った。「おまえの兄アムノンが、おまえといっしょにいたのか。だが妹よ。今は黙っていなさい。あれはおまえの兄なのだ。あのことで心配しなくてもよい。」それでタマルは、兄アブシャロムの家で、ひとりわびしく暮らしていた。

21 ダビデ王は、事の一部始終を聞いて激しく怒った。

22 アブシャロムは、アムノンにこのことが良いとも悪いとも何も言わなかった。アブシャロムは、アムノンが妹タマルをはずかしめたことで、彼を憎んでいたからである。

兄アブシャロムの憎しみ

タマルの帰宅

恐らくタマルは兄アブシャロムの家に住んでいたのでしょう。彼女が帰宅すると、そのあわれな姿を見たアブシャロムは、こう問いかけます。「おまえの兄アムノンが、おまえといっしょにいたのか」。これは、アムノンによって犯されたのかとやんわりと訊いているのです。(1)アブシャロムは「だが妹よ。今は黙っていなさい」と助言しています。つまり、被害に会ったことを公にしてはならないというのです。これが公になれば、王家全体に恥が及びます。その上、長子アムノンが処罰される可能性はほとんどありません。(2)さらにアブシャロムは「あれはおまえの兄なのだ。あのことで心配しなくてもよい」と語りかけています。つまり、自分で復讐しようと思わなくてもよいという意味です。この時点で、アブシャロムはアムノンを殺害する意志を固めています。(3)「タマルは、ひとりわびしく暮らしていた」とありますが、その意味は、彼女は結婚をすることもなく、寡婦と同じように暮らしていたということです。タマルは実に気の毒な境遇に投げ込まれたのです。

ダビデの反応

やがて事の一部始終が、ダビデの耳に入ります。つまり、アムノンがタマルを強姦したこと、さらに彼女をそのまま追い出したこと、そして、その後タマルは泣きながら暮らしていることなどがダビデ王の知るところとなったのです。(1)ダビデは激怒しています。当然のことです。(2)しかし彼は、問題を解決するためになんの行動も起こしていません。ここに、子どもに対するダビデの甘い姿勢が出ています。またダビデは、バテ・シェバ事件という弱みを抱えていましたので、性的な罪に対してはきびしい態度を取りにくかったと思われます。しかし、問題を放置しておくことは、事態の悪化を招くことになります。(3)アブシャロムとアムノンは異母兄弟でありながら、絶縁関係に突入します。この件についてアブシャロムは沈黙していました。それは、アムノンに対する憎悪と復讐心、そして王位への野心のゆえでした。
罪に罪が重なって、王家が崩壊していく様子に注目しましょう。問題を解決せずにそのまま放置したダビデの失敗から教訓を学びましょう。

きょうの祈り

天の父なる神さま。問題の根は、なるべく小さいうちに引き抜くことができますように、私に勇気と行動力とを与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書56~57、箴言29

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