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サムエル記第二13:7 ~ 19

7 そこでダビデは、タマルの家に人をやって言った。「兄さんのアムノンの家に行って、病人食を作ってあげなさい。」

8 それでタマルが兄アムノンの家に行ったところ、彼は床についていた。彼女は粉を取って、それをこね、彼の目の前で甘いパンを作って、それを焼いた。

9 彼女は平なべを取り、彼の前に甘いパンを出したが、彼は食べようとしなかった。アムノンが、「みな、ここから出て行け。」と言ったので、みなアムノンのところから出て行った。

10 アムノンはタマルに言った。「食事を寝室に持って来ておくれ。私はおまえの手からそれを食べたい。」タマルは自分が作った甘いパンを兄のアムノンの寝室に持って行った。

11 彼女が食べさせようとして、彼に近づくと、彼は彼女をつかまえて言った。「妹よ。さあ、私と寝ておくれ。」

12 彼女は言った。「いけません。兄上。乱暴してはいけません。イスラエルでは、こんなことはしません。こんな愚かなことをしないでください。

13 私は、このそしりをどこに持って行けましょう。あなたもイスラエルで、愚か者のようになるのです。今、王に話してください。きっと王が私をあなたに会わせてくださいます。」

14 しかし、アムノンは彼女の言うことを聞こうとはせず、力ずくで、彼女をはずかしめて、これと寝た。

15 ところがアムノンは、ひどい憎しみにかられて、彼女をきらった。その憎しみは、彼がいだいた恋よりもひどかった。アムノンは彼女に言った。「さあ、出て行け。」

16 彼女は言った。「それはなりません。私を追い出すなど、あなたが私にしたあのことより、なおいっそう、悪いことです。」しかし、彼は彼女の言うことを聞こうともせず、

17 召使いの若い者を呼んで言った。「この女をここから外に追い出して、戸をしめてくれ。」

18 彼女は、そでつきの長服を着ていた。昔、処女である王女たちはそのような着物を着ていたからである。召使は彼女を外に追い出して、戸をしめてしまった。

19 タマルは頭に灰をかぶり、着ていたそでつきの長服を裂き、手を頭に置いて、歩きながら声をあげて泣いていた。

タマルに襲いかかる悲劇

アムノンの暴行

何も知らないダビデは、アムノンの願いに応えてタマルを彼のもとに送るよう命じます。ダビデの息子たちは、それぞれに家を持っていました。(1)アムノンの計画どおりにことは運びました。タマルは彼のために甘いパンを作りました。(2)次にアムノンは人払いをし、妹の手から直接甘いパンを食べたいと言って、タマルを寝室に呼び寄せます。(3)アムノンはタマルをつかまえ、「妹よ。さあ、私と寝ておくれ」と迫ります。(4)しかしタマルは、「いけません。兄上。乱暴してはいけません。イスラエルでは、こんなことはしません。こんな愚かなことをしないでください」と抵抗します。彼女は、モーセの律法が異母兄弟姉妹間の結婚を禁じていることを知っていたのです(レビ記18:9、112017)。(5)彼女の反応は、ヤコブの娘ディナがシェケムによって犯されたときに、その兄たちが示した反応と同じものでした(創世記34:7)。(6)さらにタマルは、一たん負わせられた恥辱はぬぐえないこと、またアムノンもいつまでも愚か者と呼ばれるようになることを伝え、彼を思いとどまらせようとします。
しかしアムノンは腕力にものを言わせ、力ずくで彼女を犯してしまいました。

さらに悪質な行動

アムノンがタマルに対して抱いていたのは愛ではなく、単なる情欲であったことが明らかになります。(1)欲望を満足させた彼は、それまでの恋心よりもさらに激しい憎悪の念を抱くようになり、そのまま彼女を外に追い出そうとします。(2)タマルは、そのような仕打ちは陵辱りょうじょくそのものよりもさらにむごい悪ではないかと叫びますが、アムノンはそれには耳を貸さずに、彼女を追い出します。(3)タマルは、処女である王女が着る長服を裂き、灰をかぶり、頭に手を置き、泣き叫びながら帰って行きました。
ここに展開されているのは、愛とは無縁のみにくい世界です。もう一度、愛とはどのようなものであるかを思い起こそうではありませんか。「愛は寛容かんようであり、愛は親切です。また人をねたみません。‥‥礼儀に反することをせず、自分の利益を求めず、怒らず、人のした悪を思わず、不正を喜ばずに真理を喜びます」(コリント13:4~6)。

きょうの祈り

天の父なる神さま。どうか私を愛の人に変えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

イザヤ書54~55、詩篇55 ~ 56

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