1 年が改まり、王たちが出陣するころ、ダビデは、ヨアブと自分の家来たちとイスラエルの全軍とを戦いに出した。彼らはアモン人を滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデはエルサレムにとどまっていた。
2 ある夕暮れ時、ダビデは床から起き上がり、王宮の屋上を歩いていると、ひとりの女が、からだを洗っているのが屋上から見えた。その女は非常に美しかった。
3 ダビデは人をやって、その女について調べたところ、「あれはヘテ人ウリヤの妻で、エリアムの娘バテ・シェバではありませんか。」との報告を受けた。
4 ダビデは使いの者をやって、その女を召し入れた。女が彼のところに来たので、彼はその女と寝た。─その女は月のものの汚れをきよめていた。─それから女は自分の家へ帰った。
5 女はみごもったので、ダビデに人をやって、告げて言った。「私はみごもりました。」
(1)「年が改まり」とは、冬が過ぎ去って春が来た、つまり、雨季から乾季に入りつつあったということを表わしています。乾季に入ると地面は堅くなり、戦争ができる状態になります。(2)ここでアモン人との戦いが再開されています。これは、10:14で一時中断していた戦いです。(3)このときダビデは、将軍ヨアブを指揮官として遣わし、自分はエルサレムの王宮にとどまっていました。これ自体は普通にあることで、問題にすべきものではありません。と同時に、それがダビデが誘惑に会うための舞台を用意したことも確かです。
ここには、罪への三つのステップが描かれています。(1)ダビデは見てはならないものから目をそらさず、凝視しました。ひとりの美しい女がからだを洗っているのが王宮の屋上から見えました。この女を責めるのは的外れの議論でしょう。彼女は律法に従って、月のものの汚れを清めていたのです。恐らく、清めのための水槽が中庭にあったのでしょう。(2)ダビデはその女のことについて情報を集めました。これが、第二のステップです。その結果、その女がヘテ人ウリヤの妻であることがわかりました。ウリヤはイスラエル人ではなく、異邦人(ヘテ人)です。妻のバテ・シェバもまたヘテ人であったと思われます。(3)さらにダビデは、欲望を達成するための行動に移りました。これが第三のステップです。ダビデは彼女を王宮に召し入れ、その女と肉体関係を結びました。使いの者たちは、ダビデが偽善者であることを知りました。(4)バテ・シェバは、自分が妊娠したことをダビデに告げます。そこから、さらに深刻な話が展開するようになります。
ヤコブの手紙1:14~15には、罪へのステップが書かれています。「人はそれぞれ自分の欲に引かれ、おびき寄せられて、誘惑されるのです。欲がはらむと罪を生み、罪が熟すると死を生みます」。ダビデが経験したことは、まさにそれでした。あなたは、ダビデの失敗からどのような教訓を学びますか。
きょうの祈り
神よ。あなたは人を誘惑するようなお方ではありません。私たちは、自分の欲におびき寄せられて誘惑されます。どうか私の内から欲を取り除いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
イザヤ書30~31、ローマ人への手紙12
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