18 私たちは暴風に激しく翻弄されていたので、翌日、人々は積荷を捨て始め、
19 三日目には、自分の手で船具までも投げ捨てた。
20 太陽も星も見えない日が幾日も続き、激しい暴風が吹きまくるので、私たちが助かる最後の望みも今や絶たれようとしていた。
21 だれも長いこと食事をとらなかったが、そのときパウロが彼らの中に立って、こう言った。「皆さん。あなたがたは私の忠告を聞き入れて、クレテを出帆しなかったら、こんな危害や損失をこうむらなくて済んだのです。
22 しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです。
23 昨夜、私の主で、私の仕えている神の御使いが、私の前に立って、
24 こう言いました。『恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。そして、神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです。』
25 ですから、皆さん。元気を出しなさい。すべて私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。
26 私たちは必ず、どこかの島に打ち上げられます。」
「皆さん。あなたがたは私の忠告を聞き入れて、クレテを出帆しなかったら、こんな危害や損失をこうむらなくて済んだのです。しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです」。(1)パウロは、「クレテを出帆する時に、私の忠告に耳を傾けていれば、こうはならなかった」と語った。それゆえ、次に与えられる忠告には耳を傾けなければならないと言うのだ。パウロは、過去の失敗を責めているのではなく、将来の希望に目を向けさせている。(2)パウロは、①失われるのは船だけである、②いのちを失う者は一人もいない、と励ました。この言葉が、これ以降の物語の展開の鍵となる。(3)「良い港」を出る前に、パウロは、「積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます」と語っていた(10 節)。これは、彼の主観的判断である。ここでは、神からの啓示が与えられたので、以前の発言を修正して、「いのちを失う者はひとりもいない」と断言した。
「昨夜、私の主で、私の仕えている神の御使いが、私の前に立って、こう言いました。『恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。・・・』」。(1)前の夜、彼は、天使からの御告げを受けた。「私の仕えている神の御使い」という言葉は、異教の神とパウロが仕えている神を区別するためのものである。御使いはパウロに、必ずカイザルの前に立つようになると告げた。つまり、パウロはそれまでは死なないということである。(2)「神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです」とは、同船している人々も、パウロのゆえに助かるという意味である。パウロは、すべて啓示された通りになるから、元気を出しなさいと励ました。このことをされるのは、パウロが信じている神であることを印象づけた。(3)最後に彼は、船は必ず、どこかの島に打ち上げられると予告した。その島はマルタ島であるが、この時点では、そこまでは知らされていなかった。神の導きは、必要な時に必要なだけ与えられる。
パウロが語る希望は、神を信じるところから来る希望である。マルタ島に上陸する直前に、船にいた276 人全員が食事をして力を得た。パウロは一行に、魂の食物と肉体の食物を与えた。彼のバランス感覚に富んだ信仰から、教訓を学ぼう。
きょうの祈り
聖なる神よ。すべてのことは、あなたが啓示された通りになります。試練の中で、あなたにある希望を信じます。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
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