24 パウロがこのように弁明していると、フェストが大声で、「気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている」と言った。
25 するとパウロは次のように言った。「フェスト閣下。気は狂っておりません。私は、まじめな真理のことばを話しています。
26 王はこれらのことをよく知っておられるので、王に対して私は率直に申し上げているのです。これらのことは片隅で起こった出来事ではありませんから、そのうちの一つでも王の目に留まらなかったものはないと信じます。
「パウロがこのように弁明していると、フェストが大声で、『気が狂っているぞ。パウロ。博学があなたの気を狂わせている』と言った」
(1)新共同訳は、「パウロ、お前は頭がおかしい。学問のしすぎで、おかしくなったのだ」と訳している。パウロの弁明を聴いていたフェストは、我慢できなくなり、軽蔑の感情を表した。(2)フェストは、パウロが博学であることを認めた。①博学とは、ヘブル語聖書に関する知識のことである。②しかしフェストは、パウロが話している内容を理解することができなかった。③フェストの世界観の中には、死者の復活は存在しなかったので、このようなことに命を懸けるのは、頭がおかしくなっている証拠だと考えた。(3)当時のローマ人の死生観は、次のようなものである。①肉体の復活は信じない。②霊魂の不滅だけを信じる。③使徒17:32(アテネでの伝道)には、こうあった。「死者の復活のことを聞くと、ある者たちはあざ笑い、ほかの者たちは、『このことについては、またいつか聞くことにしよう』と言った」。④使徒25:19(フェストの言葉)には、こうあった。「ただ、彼と言い争っている点は、彼ら自身の宗教に関することであり、また、死んでしまったイエスという者のことで、そのイエスが生きているとパウロは主張しているのでした」
「フェスト閣下。気は狂っておりません。私は、まじめな真理のことばを話しています。王はこれらのことをよく知っておられるので、王に対して私は率直に申し上げているのです。・・・』」。(1)パウロは、礼儀正しい言葉で応答した。ここには、情熱と礼儀の共存が見られる。これこそ、クリスチャンの性質である。(2)パウロは、「これらのことは片隅で起こった出来事ではありません」と語った。①アグリッパ王は、福音の内容をよく知っていた。②また、イエスの公生涯、十字架、復活、教会の誕生、宣教の広がりなどについても、知っていた。③これらのことは、イスラエルの地ではよく知られていた。④教会が誕生してから、約30 年が経過していた。アグリッパ王が知らないはずがない。
今の日本人も、ローマ人と同じような死生観を持っている。霊魂の不滅を信じても、肉体の復活は信じないという人がほとんどである。伝道の場において、聖霊の働きが豊かに与えられるように祈ろう。復活はキリスト教を他の宗教から区別する最大の特徴である。
きょうの祈り
天の父なる神さま。キリストの復活こそ、キリスト教の真髄です。復活の希望を宣べ伝えられるよう、御霊によって助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
年間聖書通読
サムエル記第一8~9、ルカの福音書20
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