20 彼らはそれを聞いて神をほめたたえ、パウロにこう言った。「兄弟よ。ご承知のように、ユダヤ人の中で信仰に入っている者は幾万となくありますが、みな律法に熱心な人たちです。
21 ところで、彼らが聞かされていることは、あなたは異邦人の中にいるすべてのユダヤ人に、子どもに割礼を施すな、慣習に従って歩むな、と言って、モーセにそむくように教えているということなのです。
22 それで、どうしましょうか。あなたが来たことは、必ず彼らの耳に入るでしょう。
23 ですから、私たちの言うとおりにしてください。私たちの中に誓願を立てている者が四人います。
24 この人たちを連れて、あなたも彼らといっしょに身を清め、彼らが頭をそる費用を出してやりなさい。そうすれば、あなたについて聞かされていることは根も葉もないことで、あなたも律法を守って正しく歩んでいることが、みなにわかるでしょう。
25 信仰に入った異邦人に関しては、偶像の神に供えた肉と、血と、絞め殺した物と、不品行とを避けるべきであると決定しましたので、私たちはすでに手紙を書きました。」
26 そこで、パウロはその人たちを引き連れ、翌日、ともに身を清めて宮に入り、清めの期間が終わって、ひとりひとりのために供え物をささげる日時を告げた。
「彼らはそれを聞いて神をほめたたえ、パウロにこう言った。『兄弟よ。ご承知のように、ユダヤ人の中で信仰に入っている者は幾万となくありますが、みな律法に熱心な人たちです』」。(1)エルサレム教会のリーダーたちは、神をほめたたえた。つまり、パウロによる異邦人伝道を喜び、認定したのである(異邦人教会からの献金を喜んで受け取ったことが示唆されている)。(2)次に彼らは、パウロに対するユダヤ人信者の誤解を解く必要があると提言した。①ユダヤ人信者は、幾万となくいた。「幾万」「何万」「数万」(more than twenty thousands)などと訳されている言葉は、少なくとも2 万人以上を指している。その大半が、エルサレムに住むユダヤ人信者であった。②彼らは「みな律法に熱心な人たち」である。紀元1 世紀のユダヤ人信者たちの意識は、以下のようなものである。律法を守ることは救いの条件ではない。しかし、ユダヤ人として律法に従って生きることを選ぶ。③トーラーは、ユダヤ人のアイデンティティと密接に結びついていた。トーラーの遵守は、神学上の問題であるだけでなく、文化的な問題でもあった。トーラーの否定は、ユダヤ性の放棄と同じ意味になる。
「ところで、彼らが聞かされていることは、あなたは異邦人の中にいるすべてのユダヤ人に、子どもに割礼を施すな、慣習に従って歩むな、と言って、モーセにそむくように教えているということなのです。・・・」。(1)パウロに対する2つの誤解があった。①離散の地のユダヤ人に、子どもに割礼を施すなと教えているという誤解。②ユダヤ教の慣習に従って歩むなと教えているという誤解。(2)しかし、パウロが律法を大切にしていたことは明白である。①パウロは、テモテに割礼を受けさせた(使16:3)。②ユダヤ人に対してはユダヤ人のようになった(1 コリ9:20)。③彼は、律法を行うことが救いの条件になることを否定しただけである。(3)パウロに関する悪評をばらまいた者たちがいた。エペソから来たユダヤ人の一派がそれである(後に彼らは騒動を起こすことになる。使21:27 以降)。パウロがエルサレムにいることは、やがて彼らの耳に入るに違いない。そこで長老たちは、隠れるのではなく、公の場で律法に熱心であることを示すべきであると助言する。
私たちにも、隠れるよりも自らの信仰を公に告白すべき時がやって来る。神だけを恐れる信仰をいただこうではないか。
きょうの祈り
イエス・キリストの父なる神さま。公に信仰を告白すべき時には、恐れずに告白できるよう、その信仰を与えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
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